ワークフローソフトのOnitがAI機能導入のため完全リモート交渉でNZのMcCarthyFinchを買収

ヒューストンのワークフローソフトウェア企業Onitが11月第3週に、2018年のTechCrunch Disrupt Battlefield(未訳記事)に出場したMcCarthyFinchを買収したことを発表した。OnitはMcCarthyFinchのAIスキルを利用して同社のワークフローソフトウェアをパワーアップすることを狙っているという。

買収の価額は、公表されていない。

Onitは複数のAI企業を評価検討してからMcCarthyFinchに決めた。後者は前者の法務ワークフローソフトウェアに欠けていた人工知能を提供する。OnitのCEOで共同創業者のEric M. Elfman(エリック・M・エルフマン)氏は、「10社以上のAI企業を評価して、さらに6社を詳しく調べた。群を抜いていたのがMcCarthyFinchだ。彼らは、技術とチームの両方で最強だった」と語っている。

Onitは、同社のワークフロープラットフォームであるAptitudeをAI化するつもりだ。「McCarthyFinchがすごいと思ったのは、最初にCEOのNick Whitehouse(ニック・ホワイトハウス)氏と会話したときからだ。彼らは自分たちをAIプラットフォームと見なしていた。それこそがまさに、私たちの仕事とワークフローオートメーションプラットフォームのAptitudeを補完するものだった」とエルフマン氏はいう。

McCarthyFinchのCEOで共同創業者のホワイトハウス氏によると、同社は2020年初め頃から、資金を調達すべきか、それともどこかに買収された方が良いか迷っていたが、ちょうどそのときに、Onitから話があった。当初彼はその買収話に興味がなく、提携で行った方が良いと思っていたが、その後気が変わった。

「提携路線にずっと固執していたため、買収の話に対してはまったく乗り気ではなかったと思う。しかし会話を重ねるにつれて、誰にもエゴはあるけれども、買収の方が理に適っていると思うようになった」とホワイトハウス氏はいう。

両者は5月に結論に達し、先週、取引は公式に完了した。Onitはヒューストンに本社があり、McCarthyFinchはニュージーランドの企業であるため、交渉と会議はすべてZoomで行った。両社のトップが実際に会ったことは一度もない。計画では、パンデミックが終わってもMcCarthyFinchは現在の場所に留まる。ホワイトハウス氏は、安全になったらヒューストンに旅行してみたいという。

ホワイトハウス氏によると、TechCrunch Battlefieldの経験が彼に大きな影響を与えたという。「Battlefieldで得た知見と、あそこで得られた指導や助言などが、今の私に滲みついているし、今後も一生を通じてそうだろう」と彼は述べた。

買収の時点でMcCarthyFinchは顧客が45社、社員は17名だった。これまで同社は米ドルで500万ドル(約5億2000万円)を調達した。これからは、Onitの一部になってその旅路を続ける。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OnitMcCarthyFinch買収

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。