三井不動産は5月15日、主に日本国内において革新的な技術やサービスを持つグロースステージのスタートアップを対象とした、総額300億円の投資事業を開始することを明らかにした。本事業はベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン(GB)と共同で行い、1社あたり数十億円単位の大型投資を予定しているという。
三井不動産では2016年に50億円規模のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドをGBと設立。アーリー期のスタートアップを中心に、これまで国内外十数社への投資をしてきた。今回設立した新ファンドは従来の活動理念を受け継いだ上で、さらにグロースステージのスタートアップを対象にしたものだ。
投資するのは不動産テックやIoTなど三井不動産のアセットを活用できる領域の企業で、投資決定や投資先の支援はGBと共同で実施する。出資をきっかけに三井不動産グループの人的リソースや事業ノウハウ、商圏、街づくりのフィールドを提供していくという。
近年では10億円を超える大型の資金調達を行うスタートアップも増えてきている一方で、大型出資が可能な投資機関は限られている。三井不動産としては300億円のファンドを通じてスタートアップ側の選択肢を増やし、日本のエコシステムの発展にも寄与したいという考えがあるようだ。
なお同ファンドの重点投資領域は以下の通り。
- 不動産テック
- IoT
- サイバーセキュリティ
- シェアリングエコノミー
- Eコマース
- フィンテック
- 環境およびエネルギー
- ロボティクス
- AIおよびビッグデータ
- ヘルスケア