アプリ市場データを提供するApp Annie(アップアニー)は3月30日、2016年から2021年までのアプリ市場動向をまとめたレポート「App Annie市場予測2016-2021」を発表した。
このレポートによると今後世界のモバイルアプリ収益額は年18%の成長率で伸び、2021年には1391億ドルに達する見通し。日本は210億ドルで世界第3位をキープしているという。
グローバルアプリ市場の今後5年間
今後のグローバルアプリ市場の動向についてだが、ダウンロード数は年20%近いペースで増大し、2021年には3520億件に。収益額は年18%の成長率で、2021年には1391億ドルに達するという。
注目したいのは、モバイルアプリストアの売上状況の変化だ。単独のアプリストアとしては収益トップの座を維持し続けるiOSのApp Store。同ストアの売上は2021年の消費者支出総額が600億ドルを超える見通しである一方で、Google PlayとサードパーティーのAndroidストアは、ダウンロード数が年23%のペースで増加。2017年に合計の収益額でiOSを追い越す予想となってる。
この要因はインド、メキシコ、ブラジル、インドネシアをはじめとする新興市場でのスマートフォンとアプリの普及拡大だ。
またストア収益の成長と並行して、アプリ内広告やアプリ内コマースの収益が急増を続けていくという。
中国が市場を牽引、日本は世界第3位
2021年までダウンロード数、収益ともに最大の地域となるのはAPAC(アジア太平洋地域)。中でも市場をけん引していくのは中国で、今後ダウンロード数が大幅に増えると期待されれているのはインドだ。
中国ではモバイルアプリストア支出額が2021年に560億ドルを突破する見通し。内陸部へのスマートフォン普及が加速し、ダウンロード数が年19%のペースで増加。消費者支出も年24%のペースで増加すると予測されている。同年にはモバイルアプリストアの消費者支出が世界の41%を占めるほどになると考えられており、グローバル展開を目指すアプリ提供者にとっては外せない市場になるのではないだろうか。
インドではスマートフォンの普及が進み、結果としてアプリストアのダウンロード数も年28%のペースで増大、2021年には約230億件近くに達するとされている。その一方で現在はまだ普及率が高くないことに加え、成熟市場と比べて購買力が著しく低いことなどからアプリストアの収益については他国を脅かすほどまでには至らないとしている。
2016年の世界のアプリストア収益額において上位5カ国が占める割合は75%に上るが、中国を筆頭に米国、日本、韓国といった成熟市場の既存ユーザーが、ゲームやサブスクリプションへの消費をさらに増やす結果、2021年にはこの比率が85%に拡大すると予想されている。
レポートによると、2021年に日本のアプリストア収益額は210億ドルで、引き続き世界第3位をキープしているという。