中国トップの航空学大学の4人のボランティアが、同国最初の有人探査隊を月に送る準備を整えるため、200日間密閉された実験室内で外部との交流なしで暮らすことになった。人民日報(中国共産党発行の公式新聞の1つ)によれば、同グループはこの任務を、北京航空航天大学(略称:北航大学=Beihang University)内にある160平方メートルの研究室で日曜日に開始した。
中国は米国とロシアに続き、2013年12月に月面への軟着陸を成功させた。現在政府は、今後15〜20年以内に月面に宇宙飛行士を送り込むことを目標として 、有人任務を遂行することができる宇宙船の開発に取り組んでいる 。
最近承認された米陸軍予算には宇宙戦闘専任の新たな部隊の創設も含まれているが、米国と中国がすぐに宇宙競争を始めるという意味ではない。米空軍は、軍隊の現在の部隊からリソースを奪うと主張して、この提案を阻止しようとしている。
中国は月への熱望は他国との平和的協力の精神の下にあると主張しているが、NASAは安全保障上の懸念から、2011年以降中国側と協力することを議会によって禁止されている。しかし、以前NASA長官であったCharles Bolden元管理官は、有人ミッションを宇宙に送るプログラムのチャンスを米国が逃してしまうのを防ぐため、禁止は一時的なものに止まるべきだと述べた。
北航大学の研究室であり、月の宮殿を意味する「月宮一號」(Yegong-1)は、生物生命維持支援システム(BLSS=bioregenerative life support system)の信頼性と、それがそれぞれの乗務員にどのようにどのように影響するかをテストするために5月10日に開始された1年に渡る実験の一部である。
「この種のものとしては世界最長のこの実験は、中長期に渡る宇宙飛行士の安全と生命を保証するために必要なテクノロジーの開発を助けるものです」と同大学は英語サイト上で述べている。なおすべてのボランティアは北航の大学院生たちだ。
月宮一號には、生活空間用と植物栽培用の2つのモジュールがある。言うまでもないが、人間の排泄物はバイオ発酵プロセスで処理される。現在のボランティアは、60日間の任務を終えた別のグループに続くものだ。そして現在のグループが去った後、ボランティアたちの第3陣がやって来て、さらに105日間を過ごす。これにより合計365日間の実験が完了する。
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(翻訳:Sako)