人気のグラフデータベースにいよいよ大企業が進出の兆し、トップ企業Neo Technologyの外堀城壁強化策を見る

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グラフデータベースNeo4jを作っているNeo Technologyは、まだある意味無名に近い企業かもしれないが、一般的にグラフデータベースそのものは、私たちの日常の中にすでに広く浸透していて、誰もがそれとは知らずにアクセスしているはずだ。その市場は今急速に伸びていて、大企業も注目し始めている。

グラフデータベースは、物事と物事のあいだの、論理的な関係を表現する。それはたとえば、あなたが過去に買ったものや、Facebook上のあなたのソーシャルグラフから、あなたが好きなものを見つけ出す。

データベースの人気を調べているWebサイトDB-Enginesのデータによると、2014年に成長率がいちばん高かったデータベースがグラフデータベースだ。

DB-EnginesによるとNeo TechnologyのNeo4jはグラフデータベースのトップシェア製品だが、同社はその地位に満足していない。それどころか、今ではOracleMicrosoftのような大企業がグラフデータベースに進出しようとしているし、AmazonやHPなどもその後を追おうとしている。

それは、グラフデータベースがこのところいよいよ、エンタプライズの世界で離陸しようとしているからだ。企業のデータ集合においても最近では、事項間の論理的な関係を見出そうとするニーズが、高まっているのだ。

GartnerのリポートMaking Big Data Normal With Graph Analysis for the Massesによると、“2018年には、大企業の70%がグラフデータベースを利用するパイロット事業や概念実証努力に取り組んでいるであろう”、という。

市場の成長とともに、選手の数も増えてくるが、Neo TechnologyのCEO Emil Eifrem は、大企業が特定の垂直市場に食い込むことはあっても、一般的には技術の蓄積量と経験量の多いリーダー企業の製品、すなわちNeo4jを求める顧客が多いだろう、と展望している。

彼によると、今日までのNeo4jのデプロイ数は数百の顧客に対して約10000、その中にはWalmartやeBay、Adidasなどもいる。だから資金量の豊富な競合他社といえども、簡単に追いつけるものではない。

今後もトップの座を維持し続けるための切り札のひとつがオープンソースで、Neo4jもまさにそれだが、さらに同社は今週、他社製のグラフデータベースとの互換性を実現するツールopenCypherをリリースした。

“Cypherはうち固有の製品だが、他社が利用されてもかまわない”、とEifremは語る。彼のその姿勢は、必ずしも愛他精神からではない。さまざまなベンダのグラフデータベース製品間のコミュニケーション能力は、顧客にとってきわめて重要だから、既存システムとの互換性を心配していた顧客も今後徐々にNeoのユーザになる、と彼は見ている。

Cypherの開発にはOracleやDataStaxも関与した。後者はCassandraデータベースを作っているが、今ではグラフデータベースにも手を染めている。

さらに同社は最近、IBMとのパートナーシップにより、Neo4jをプレインストールしたPower 8サーバを売れることになった。顧客が求める大規模なジョブに対しては、高性能なハードウェアプラットホーム込みでシステムを売り込めるのだ。

また、最近バージョン2.3にアップグレードしたNeo4jは、かなり抜本的なアップデートにより、余裕をもってビッグデータを扱えるようになった。

以上、いくつかの新しい基本的な取り組みにより同社は、これからいよいよ押し寄せてくるであろう大企業からの攻勢に耐え、グラフデータベースにおけるトップの座を守りぬき、彼らとの差をさらに大きく開けようとしている。

Neo Technologyはこれまで、4410万ドルを調達している。最近の調達は、1月の、シリーズCの2000万ドルだった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

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TechCrunch Japan

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