TechCrunch日本版で紹介した先週の記事の中で、ざっと振り返って気になったものを改めてご紹介したい。いろんな意味で「進化の速度」を感じさせる記事も多かったように思う。
「クラウド化」したPhotoshop
たとえば「Adobe、ChromebookおよびChrome上で動作するPhotoshopの提供を開始」。Photoshopのほぼすべての機能をクラウド化してしまったという話だ。
記事中にもあるが、「Chrmebook」や、あるいは「クラウドコンピューティング」ないし「ネットブック」(古いか)の欠点を言い募るのに、「Photoshop」はよく出てきたものだった。
覚えている人も多いと思うのだが、Photoshopといえば少し前まで「ローカル」で使っても「重い」アプリケーションだった。それがネットワーク上で動くようになってしまったわけだ。トータルな技術進化とともに、もちろんネットワーク容量の圧倒的増加のおかげでもある。
「無限化」するGoogle Drive
「圧倒的増加」しつつあるのは、記憶容量も同じだ。今週も「Google、容量無制限のDrive for Educationの提供を開始」という話があった。
「無限の記憶容量」とは、少し前まで「リムーバブルハードディスク」や「MO」を指す言葉だった。ディスクを差し替えることで無限になるという話だ。しだいに「差し替える」べき「ディスク」すら必要としない「無限」が実現されつつある。
Retinaを進化させるiMac
処理速度や記憶域の増大は、グラフィック関連に大きな恩恵を施した。WYSIWYGが「新しい」ものだった時代、画面解像度は72dpiが基本だった。それがいつの間にか「Retina」な時代になった。ナチュラルボーンに「Jags Are Gone」な時代になったわけだ。そしてそんな環境はさらなる進化を目指しているらしい。
そんな進化を体現してきそうなのは、最初は「おもちゃ」だったはず(?)のiMacだ。「Apple、来月Retina iMacを発表か? 高DPI時代の幕明けだ」という記事がいろいろ考えさせる。
iMacといえばこんな感じのものだったのだが。
iMacの話は、Yosemite関連の記事にも出てくるのであわせてどうぞ。
ところでApple関連ということで言えば、ネガティブなコメントが多かった記事もある。「Apple、iOS 8の通知センターからアプリを起動するアプリを禁止」。
「残念」を通り越して「怒り」を感じている人も多いようだ。
Windowsは再びふた桁に
Windowsが普及し、PCがコンシューマーデバイスとなり始めたのは、Windows 95からだっただろう。それからいろいろあって、そしてWindowsは「7」や「8」といったひと桁名称を経て「10」とふた桁に戻ってくるようだ。
再ふた桁化するWindowsについては「Microsoft、Windows 10プレビュー版を公開―次世代OSは“Windows 9”ではなかった」という記事がある。さまざまなデバイスを統合する環境の構築に時間がかかったが、いよいよMicrosoftによる「理想の姿」が実現するのかもしれない。
ちなみにWindows 10関連では「Windows 10、テクニカル・プレビュー版のダウンロード開始―有効期限は来年4月15日」や「[ビデオ]Windows 10ではマウスとタッチをどうやって併用するのか」という記事もある。
訪れつつある「未来」
どうも昔を思い出した話が多くなってしまった。「未来」を見てみよう。まずはこちらから。「腕から飛び立ってセルフィーを撮るウェアラブル・ドローン」だ。
「セルフィー」が未来なのかどうかはよくわからない。しかし「ドローン」はさまざまな未来で活躍するデバイスだ。「ウェアラブル」も同様だ。そのふたつの未来デバイスが連結するのだから、当然に輝かしい未来を体現しているに違いない。もちろん、未来の「不確かさ」を示している可能性もないではない。
ところで上のビデオ。プロトタイプ製作の場面もなかなか面白い。
ウェアラブルな未来ということでいえば、GoProもまた新たな一歩を踏み出した。「GoProの129ドルの新しいエントリーモデルHeroはアクションカメラのキングだ」の記事にあるように、GoProがさらに身近な存在となるようだ。
電子デバイスによる日常の記録といえば、たとえばQuickTake 100なら高画質モードで8枚しか写真を記録できなかった。今やビデオログもお手軽に、誰でもが行える時代になりつつある。
そしてさまざまなハードウェアやソフトウェアの進化は「コンテンツ』の進化も呼ぶ。「これはCGです」という記事で紹介した「コンテンツ」を下に貼っておこう。
「そっちもかよ」と叫んでしまうのは筆者だけではないだろう。
さらに、今後の動きに注目したいものとして「Google、アプリを介さずモノのインターネットと会話できる標準規格Physical Webを開発中」という記事は注目だ。ウェアラブルとIoTの可能性を広げようとするプロジェクトで、ぜひ記事や記事からのリンクなどをご覧頂きたい。
もう少し具体的な未来の話はといえば、たとえば「Facebook、モバイルアプリ用“いいね!ボタン”を正式公開」という記事もあった。「人」のネットワークとしてスタートしたFacebookだが、ウェブ上のコンテンツを取り込み、そしてアプリケーションで扱うコンテンツについても自らの世界にとり込もうとしているわけだ。
「モバイル」や「ウェアラブル」や「IoT」など。それぞれ単独で「未来」を感じさせてくれるものだった。それらが一気に統合化進化を遂げる時代が近づいてきているようだ。
(Maeda, H)