翻訳記事では紹介できなかったものの、面白かった記事を紹介する「先週のUS注目記事」。もちろんいずれの記事にも面白いところはあるわけで、敢えて選択して紹介するには「テーマ」のようなものも必要だろう。
先週のテーマは(筆者の勝手な思い込みだ)は「ニッチ」だった。
ハードウェア部門
たとえば「Cliq’s NFC Case Puts Buttons Back On Your Smartphone」なんてどうだろう。スマートフォンケースの裏にボタンをつけて、NFCを使ってさまざまな制御を行うようにしようというものだ。現在Kickstarterプロジェクトを展開中で、4万ドルの資金調達を目指している。
再生中の音楽をスキップしたり、特定の人にテキストメッセージを送ったり、あるいはセルフィーの背面カメラ撮影など、ボタンにはさまざまな機能を割り当てることができる。ちなみにこのケースはAndroid用だ。
もうひとつクラウドファンディングキャンペーン中のものを紹介しよう。INDIEGOGOにて2999ドルを目標にキャンペーン展開中だ。記事は「iMacompanion Adds An Accessible USB 3.0 Port To Your iMac」。ジョブズに叱られないかなと少々心配にはなるが、確かに便利ではあるだろう。
もしかするとこのデバイスは既に見たことがあるという人もいるかもしれない。実はUSB 2.0版のKickstarterキャンペーンは成功裏に完了している。USB 3.0に対応できるようになったことで、新たなキャンペーンを行っているのだ。
ソフトウェア部門
もちろん「ニッチ」ものはハードウェアに限ったものではない。「Screenshotter」なんてアプリケーションの記事もあった。「Screenshotter Is A Simple Tool For Organizing Mobile Screenshots」がその記事で、要するにスクリーンショットを効率的に整理しましょうというものだ。写真共有アプリケーションを提供しているClusterからリリースされたもの。開発チーム時に必要性を感じて作ったアプリケーションだそうだ。
確かにスクリーンショットを多く撮る人には、こうした整理ツールが必要だろう。しかしどれほどのニーズがあるのかはちょっとよくわからない。
尚、メインプロダクトのCluster本体のバージョンアップに関する記事もあった。「Mobile Photo Sharing App Cluster Now Focused On Private Groups, Adds Support For Video, Notes And Tablets」がその記事だ。
タブレットに対応し、またビデオやメモの共有にも使えるようになり、グループ内データ共有のオールインワンに進化したということらしい。
まじめなニッチ
「まじめ」というのは「ニッチ」と呼ぶのはおかしいかもしれないという意味に受け取って頂きたい。「Privacy-Focused Search Engine DuckDuckGo Gets A New Look, Smarter Search With “Instant Answers”」という記事があった。NSA問題以降、その人気を高めているらしい検索エンジンについての記事だ。「Instant Answers」機能を加えて使いやすくなったという内容だ。
たとえば「weather tokyo」と入力すると、数日分の天気予報を検索結果上部に見やすく表示してくれる(日本語検索にも対応していますが、Instant Answersには対応していないようです)。また料理の材料を入力したときに、レシピサイトなどからの画像を一覧形式でまとめて表示してくれるのもいい。
また、記事が「あまりに本気」というか、かなりの長文だったのがこちら。「5-Tiles Keyboard Targets Wearables To Hunt The Post-Qwerty Holy Grail」というタイトルで、QWERTYにかわるべき入力システムの話だ。
入力方式に関する話というのはたまに出てくる。ただ、「ウェアラブル」の時代を迎えて、新しい入力システムへのニーズは一層高まっているのかもしれない。新しい方式が戦わなければならないのは、長い間の「筋肉の記憶」としてのQWERTYでもあるとのこと。お時間のある方はご一読を。
なんじゃこれなニッチ
オチを付けなければいけないというわけではないのだが、最後に「なんじゃこれ」なプロダクト。とはいってもかなりの人気を集めているのだそうだ。記事は「Cliptone Is A Silly “Twitter For Video” App With Voice Filters, Background Music And More」というもの。
最初、搭載されている「Voice Filters」の意味がわからなかった。要するに録音した声を「変声」に変換するものらしい。英文記事にも「大人な自分にはあまり面白いものとも思えないが」などと書いてある。確かに自分のソーシャルストリームに変声ビデオが流れてくればイラッとしてしまうかもしれない。
でも、ちょっと使ってみたい気も、しないではない、ような、気もする。
(Maeda, H)