先週のUS注目記事 ― BuzzFeedが5000万ドルを調達、SnapchatがNo.3ソーシャルアプリケーションに、など

本稿では先週1週間に登場した、翻訳にはいたらなかったものの面白そうな記事を紹介したい。

まずは一部に熱狂的なファンを持つBuzzFeedの話題から。BuzzFeedは「バイラルメディア」と呼ばれるサービスを展開している。

BuzzFeed、Andreessen Horowitzから5000万ドルを調達

このBuzzFeed、10日の記事によればAndreessen Horowitzから5000万ドルの資金を調達したとのことだ。記事は「BuzzFeed Raises $50 Million From Andreessen Horowitz」だ。これまでにも数回のラウンドで4600万ドルを調達していたが、これまでのラウンドすべてを合わせたよりも大きな資金調達となった。

「リスト記事」と呼ばれる手軽そうなコンテンツが主となっていて、そのコンテンツとほぼ同じ体裁の「ネイティブ広告」を展開していることでも注目を集めている。200名以上のエディトリアルスタッフをはじめ550名の社員を抱えつつ、さらに有名記者も積極的に採用しているらしい。記事コンテンツからネイティブ広告までも内製化し、柔軟に連携しつつサイト運営を行なっているようだ。

バイラルメディア上でのコンテンツの在り方や、あるいは広告ビジネスの方向性などを探る意味でも、注目して面白いメディアだろう。「BuzzFeed’s Future Depends On Convincing Us Ads Aren’t Ads」の記事にても、「ネイティブ広告」の在り方などについて議論を呼びかけている。

Snapchatは今や人気No.3のソーシャルネットアプリケーション?!

読者の方々はよくご存知のことだろう。Snapchatとは一定の時間がたつと自動的に消えてしまう写真などを送ることのできるアプリケーションだ。このSnapchatが若者の間で大人気であるという記事があった。「Snapchat Is Now The #3 Social App Among Millennials」がその記事だ。

comScoreの調査によれば、18歳から34歳の間のスマートフォン利用者のうち、32.9%がSnapchatをインストールしているのだそうだ。これはFacebookとInstagramに続く成績で、すなわちTwitterやPinterestを上回っている。

ところでSnapchatと逆を行くようなアプリケーションについての記事もあった。

シェアした写真が一定時間で消えるという点では同じなのだが、人から「いいね」されたり、シェアされたりすると、消えるまでの時間が長くなるという仕組みを採用している。記事は「Shotclock Turns Messaging Into A Popularity Contest」。投稿が評価されれば表示時間が長くなるわけで、たしかに「人気コンテスト」(Popularity Contest)の側面がある。

本アプリケーションをリリースしているのはRumrで、同名の匿名型グループチャットアプリケーションもリリースしている。そちらについては「Rumr, Group Messaging With An Anonymous Twist, Launches On iOS And Android」で説明されている。今回のShotclockはiOS版Android版がリリースされている。

ニッチなソーシャル系サービス

大流行らしいSnapchatは既に、「ニッチ」なサービスというのはあたらないのだろう。

しかし独自のニッチを求めるサービスは(相変わらず)いろいろと登場してきている。

ソーシャルネットワークと呼ぶことはできないかもしれないが、スポーツファン同士のみならず、スポーツ主催者をもネットワークで結ぼうとするサービスも記事になっていた。

Fanmode Lets Sports Fans Share Their Emotions From The Couch To The Stadium」という記事で取り上げられたFanmodeというのがそれだ。

自宅やスポーツパブなどでスポーツ観戦を行いつつ、アプリケーション経由で拍手や声援、あるいはブーイングを行う。またスマートフォンのみでなく、スマートウォッチなどのウェアラブル上での展開も行おうとしている。

視聴者からの反応をスタジアムやテレビなどにフィードバックすることにより、より多くのファンに臨場感などを感じてもらうことができるわけだ。スポーツチームやメディアとの連携ができれば面白いサービスに育つ可能性もある。こちらもiOS版Android版がリリースされている。

廉価版ドローンと小規模核融合

本稿最後はドローンの話と核融合の話を取り上げておきたい。

廉価版ドローンについての記事は「Parrot Jumping Sumo And Rolling Spider Review: Mini Bots Best For Drone Newcomers」だ。Parrotから2種類の無線操縦ガジェットがリリースされた。


 


 

Jumping Sumoのジャンプにはつい声を出してしまいそうになる。ビデオだけからはよくわからないが、結構高度な技術が使われていそうな気もする。しかしやはり本命はドローンの方か。記事にあるように「廉価版」であり「熱心なファンを満足させるものではない」だろう。しかし価格と可愛らしさのバランスは、なかなかにうまく取れているようにも思うのだ。

これからまた「玩具」的なドローンが登場してくるかもしれない。

もうひとつ触れるだけ触れておきたいのが「Y Combinator And Mithril Invest In Helion, A Nuclear Fusion Startup」だ。すなわち、Y CombinatorとMithril Capital Managementが、商用核融合炉の構築を目指すHelion Energyに150万ドルを出資するそうだ。

いきなりの大規模発電施設建設を目指すのではなく、小規模なディーゼル発電機の代替となり得るものを作るつもりにしているとのこと。まだまだ研究段階のもので、直ちに実稼働に入るというようなものではない。記事はもちろんこの画像で締めくくっている。

Maeda, H


投稿者:

TechCrunch Japan

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