在宅のホルモンテストで女性の閉経時期を予測する遠隔医療スタートアップThe Cusp

The Cusp(ザ・カスプ)は閉経前後の女性に遠隔診療を提供する新たなスタートアップだ。同社はクリニックに足を運んでテストを受ける費用をなくす在宅ホルモンテストを展開する。

カリフォルニアの女性は遠隔コンサルテーションとテストを159ドル(約1万7000円)でオーダーできる。クリニックで同様のテストを受けて分析してもらうとおおよそ500ドル(約5万4000円)かかる。

一般に使用されているホルモンテストと異なり、The Cuspは、鍵を握るホルモンの測定が閉経時期を予測するのに役立つという新たな研究に基づくテストをベースにしている。同社は現在、医療業界がこうした発見を確認するのをサポートするために研究者らと協業している。そしてコンサルテーションと診断へのアクセス改善の組み合わせが、より正確に閉経を予測する能力をかなり高めることになると確信している。

「閉経はかなり軽視されていて、中年期ケアは十分にサービスが提供されていないマーケットだ。我々は、女性が自分の健康を最善なものにできるよう中年期ケアの新たなモデルを提供しようとThe Cuspを立ち上げた」と同社CEOのTaylor Sittler(テイラー・シットラー)氏は述べた。「早期のケアがより健康的な結果につながるため、まずは閉経周辺期ケアにフォーカスする」。

同社によると、テストは閉経の初期サインを経験しているおおむね42〜50歳の女性向けだ。「キャリアを通して、私は女性の健康、閉経、乳がんが交差する分野を専門としてきた。女性のための情報があまりにも少ないことがショッキングで、私はがん経験者向けの閉経症状管理や生殖機能に関するガイドライン策定で国の委員会と作業した」とMindy Goldman(ミンディー・ゴールドマン)博士は述べた

Gynecology Center for Cancer Survivors(がん経験者専門婦人科センター)と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAt-Risk Women Programでディレクターを務めるゴールドマン博士はThe Cuspで医師として働いている。「The Cuspに参加できることをうれしく思う。総合的な診断ツールと、閉経に正面から立ち向かい、複数のアプローチで管理できるようになるパーソナライズされたケアを女性に提供すべく取り組んでいる。そうした複数のアプローチには医療介入、自然療法ソリューション、ホルモン代替セラピーが含まれる」

The Cuspは患者約200人にケアを提供していて、会員は急増している。最近立ち上がったばかりの同社は、CurieMD、Elektra Health、Geneveのようなスタートアップの仲間入りを果たした。これらスタートアップはすべて閉経前後の女性への医療サービス提供を専門としている。

これまでにThe CuspはmHomeBrew、Village Global、そしてKatie Stanton(ケイティ・スタントン)氏やMegan Pai(ミーガン・パイ)氏のような個人投資家から400万ドル(約4億3000万円)を調達している。

Color Genomicsの共同創業者であるシットラー氏は、新しい診断テストとテクノロジーを閉経期にさしかかっている女性に適用することにチャンスを見出している。

The Cuspの専門ケアパッケージは210ドル(約2万3000円)だ。ここには、テストと医師のオンライン診察、無制限のチャット、パーソナライズされた治療計画、サプリメントの割引が含まれる。サービス利用を継続したい場合、月72ドル(約7700円)かかる。

画像クレジット: John Lamb / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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