外国為替レート期間保証付きモバイルウォレットJCB Mobile Wallet(仮称)の実証実験を開始

ジェーシービーとNTTコミュニケーションズは10月8日、外貨為替レート保証付きモバイルウォレット「JCB Mobile Wallet」(仮称)の実証実験を本月より開始することを発表した。

JCB Mobile Wallet自体は、スマートフォンの専用アプリ上で発行できるJCBブランドのバーチャルプリペイドカードで、キャッシュレス決済やモバイル上での送金、アカウントの利用可否設定、優待店のマップ検索などが可能だ。事前に残額をチャージしておけば、クレジットカードように使える。入金したぶんだけ使えるプリペイドカードなので、支払い能力を示すクレジットスコアなどは不要で、留学生、ビジネスパーソン、在留外国人など誰でも使える。

特に上記の対象者にメリットなのが、22カ国の通貨に24時間いつでも両替可能な点と、為替レートが14日間保証される点。一度、円から外国の通貨に両替した後、使い切れなかった通貨については実質そのままの価値で円、もしくは自国通貨に戻せる。保証される為替レートは、日々変化する為替レートに比べるともちろん割高となるが、海外出張や一時帰国などで現地通貨の両替に頭を悩ませる必要がない。

また、JCB Mobile Walletでは、家族や法人で複数のアカウントが利用可能だ。例えば、留学中の子供をサブアカウントに設定して、家族から現地通貨を24時間いつでもチャージするといったことも可能だ。法人では、海外出張者をサブアカウントごとに残高管理する機能が備わっている。

そのほか、レストラン予約やタクシー配車などのさまざまなサービスもアプリからオーダーできる。

JCB Mobile Walletの実証実験は、UI/UXの検証や搭載機能、サービスのニーズ調査、商用化に向けたフィードバックの収集ため、10月~11月の期間にJCBとNTTコミュニケーションズの関係者のみで実施される。一般参加はできない。

実証実験における両社の役割としては、JCBとNTTコミュニケーションズが共同でJCB Mobile Walletのサービス企画・開発を進めるかたちだが、実際にはNTTコミュニケーションズが、レート保証型外国為替情報、取引情報のデータ流通サービス、他サービスとのAPI接続の一元管理などを請け負う。

今後の展開としては、各国の決済環境に応じて、モバイルでのNFCタッチ決済、QRコード決済などのサポートも進めていくという。また、NTTコミュニケーションズが開発したWallet Exchangeを活用して、各国のモバイルマネーのオンライン接続や残高交換を実現するとのこと。

カテゴリー:フィンテック
タグ:JCB、NTTコミュニケーションズ、モバイルアプリ、プリペイドカード

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TechCrunch Japan

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