HomeValetは、ワシントンD.C.市街地を拠点とするスタートアップで、食料品配達用の温度コントロール付きSmart Box(スマートボックス)を開発している。このほど同社は、同製品の一般販売を開始するとともに、Walmart(ウォルマート)との提携を拡大した。2021年には、Walmartのデリバリー利用者の生鮮品や冷凍食品を低温に保ち、受領するまでの安全を確保する手段として、Smart Boxのパイロットテストを行った。
HomeValetは、Walmartの食料品デリバリーサービス、InHome(インホーム)の一部のサブスクライバーに、2022年1月からSmart Boxを提供すると発表した。さらにInHome利用者以外の一般消費者も、前払金50ドル(約5700円)を払って予約すればSmart Boxを購入できる。InHomeサブスクライバーの購入価格は499ドル(約5万7200円)なので、ちょっとした投資ではある(Affirm経由のファイナンスが可能)。
それでもこのボックスは、オンラインで食料品を注文しても商品が配達される時刻に在宅できない人たちにとっては価値ある利便性だ。
これは消費者が食料品配達を利用する上で、大きな壁の1つだ。生鮮品や冷凍食品は配達されたらすぐに冷蔵庫にしまわなくてはならないため、多くの人たちが食料品を路肩で受け取ったり、今まで通り店舗で購入している。買い物客は在宅時、例えば退勤後や週末に食料品を受け取りたいことから、配達の時間調整が複雑になるという問題もある。このため、要求される配達時刻は1日を通じても週を通じても波が大きくなり、店舗の都合で配達ルートや時刻を決めることができない。
Walmartのこの問題に対する現時点の解決方法は、InHomeデリバリーサービスだ。この食料品配達サブスクリプションは、2022年中に3000万世帯が利用可能になると同社は言っているサービスで、Walmartの配達員がスマートロックシステムを使って家に入り、顧客に代わって冷蔵庫や冷凍庫に食料品をしまう。配達の様子は安全確保のために配達員に装着されたカメラで記録される。
しかし、顧客は知らない人が自宅に入ることを心配しないでいられる人ばかりではない(あるいは、訪問者をよろこばない大型犬がいる、などの理由もあるだろう)。
そこへ登場したのがHomeValet Smart Boxシステムだ。Walmartの配達スタッフを家に入れる代わりに、スマートボックスを開けて食料品をしまってもらうことができる。
Smart Box本体はインターネット接続されたボックスで、常温貯蔵品や食料品以外を格納する非冷蔵部分と、生鮮品と冷凍食品のための温度制御されたクーラー部分からなる(クーラーは利用者が設定可能)。
Smart Boxには専用モバイルアプリがあり、配達の通知を受けたり、ボックス内蔵のSony IMX322カメラが1080pが記録した配達員がボックスに商品を入れるところの動画を見ることができる。
アプリを使って、ユーザーはボックスをロック / アンロックしたり、温度を遠隔制御することができる。WalmartのInHomeなどの対応した小売システムと連携していれば、配達時に自動的にアンロックすることもできる。
Smart Boxは110Vの標準電力で作動し、地面に固定することもできる。重さは120ポンド(約54.4 kg)、サイズは50.86×25.37×26.56インチ(約129x64x67cm)とかなり大きい(初期バージョンには殺菌用のUVランプが付いていたが、現行システムにこの機能への言及はない)。
HomeValetは2021年5月に、アーカンソー州北西部のWalmartでSmart Boxシステムのパイロットを行い、その後インディアナ州、ミネソタ州、およびワシントンD.C.市街地の一部地域で追加テストを実施した。現在同社はこのシステムをInHome利用者向けに優先的に提供している。
フロリダ州内(気候を考えると賢明なスタート地点)のWalmart店舗でInHomeを利用している顧客は、2022年2月にいち早くSmart Boxを受け取れる。InHomeユーザーは、導入価格499ドル(約5万7200円)と月額10ドル(1150円)のサブスクリプション料金(6カ月間は無料)でボックスを利用できる。
ボックスはその後、2022年8月以降にその他の予約購入者向けに個数限定で出荷され、2022年11月に追加で出荷される予定。これらの購入者向けの希望小売価格は上記とは異なり、後日発表される。
画像クレジット:HomeValet
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook )