これは、物理的にはとっても小さな問題に対する、徹底的なソリューションだ。
生物学者のAdele Bakhtiarovaには、これまでずっと、市販のどんなアイラッシュカーラーも合わないのだった。とくに、自分の目の端の方のまつげにまで届くのが、なかなか見つからなかった。これまで、何十個ものアイラッシュカーラーを試した。どれも、皮膚を噛んだり、まつげがカールせずにL字状に曲がったりする。
Founders Fundが投資しているゲノム配列技術のスタートアップHalcyon Molecularの社員だった彼女は、副業としてアイラッシュカーラー問題に取り組むことにした。
最終解に到達するまで、15か月かかった。その間、CADを使ってハードウェアを設計する方法を勉強し、East Bayで見つけた3Dプリンタでプロトタイプを作り、そのためのモバイルアプリも作った。
その25ドルのアイラッシュカーラーは、顧客の目に合わせて彼女が3Dプリントする。アプリは顧客の目をスキャンしてデータを彼女のスタートアップVoir Creationsに送り、そこで顧客の顔の3Dモデルが作られる。今彼女は消費者の反応を知るために、Kickstarterで3万ドルを集めようとしている。
これ自体はささやかなプロジェクトのようだが、でも大きなポテンシャルを示唆している。商品〜製品の徹底的なカスタム化、個人化の“量産化”を可能にするかもしれない、3Dプリントの潜在的な力だ。今それは、車などだけでなく、ありとあらゆるものに求められているのかもしれない。
本誌もこれまで、美容関連のプロダクトを何度も取り上げた。昨年のTechCrunch Disrupt NYでGrace Choiが披露したMinkは、メークアップ用のシェードを3Dプリンタを使ってカスタム化した。もっとシリアスな例としては、3Dプリントで義足をカスタムメイドするYC傘下のStandard Cyborgがある。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)