“専門家の価値×スキマ時間”を売買する時間市場「タイムバンク」、メタップスが今秋ローンチ

5月末にローンチした「VALU」はユーザー自身の価値を株式に見立てて、ビットコインで取引を実現するサービスとして注目を集め続けている。特にシェアリングエコノミーという言葉を聞くようになってからだろうか、自分の信頼や価値をどうお金に変えるのかという話は至るところで話題にされている。

そんな中でマザーズ市場に上場するメタップスが打ち出したのは、ユーザー自身の価値、そして使う時間を10秒単位で取引する「時間市場」を作り出すという構想。同社は7月18日、時間取引所「タイムバンク(Timebank)」を提供すると発表した。サービスのローンチは初秋の予定だが、時間発行者(専門家)の申請を受付中だ。

メタップスいわく、タイムバンクはさまざまな専門家(時間発行者)の「時間」を売買できる取引所。ユーザーは専門家が発行する時間を購入、使用、売却、保有可能。保有した時間を使って専門家に事業の相談をしたり、食事をしたりできるという。また専門家は隙間時間を売り出すことで、収益を得ることができる。専門家を長期的に応援したい場合は、時間を使用せずに保有し続ける「タイムオーナー」という選択肢もあり、保有する時間はいつでも市場価格で欲しい人に譲ることができるという。また、運営アドバイザーとして、元陸上競技選手の為末大氏やキッズライン代表取締役社長の経沢香保子氏らが参画している。

冒頭で紹介したVALUに、「ココナラ」や「TimeTicket」といったタイムシェアリング系のサービスを組み合わせたサービスと考えるとしっくりくるだろうか。メタップスはこのタイムバンクで、「個人が主役の経済」「時間を通貨とする経済」「経済を選べる時代」の実現を目指すとしている。

なお、時間発行者の申請には、Twitter、Facebook、Youtubeいずれか、もしくは複数にアカウント連携が必要となる。これら各SNSのネットワークグラフデータをもとにメタップスがスコアを算出。スコアが57以上でない場合、申請ができない仕組みとなっている。

メタップスではタイムバンクのリリースに向けて、YouTuberやInstagramer、ライブ配信者などのインフルエンサー、エンジニアやクリエイター、ライターなどのフリーランス活動を支援する企業に対して1社あたり3000万〜1億円程度を出資して資本業務提携を進める。複数の企業と連携することで、個人の時間の価値を最大化するエコシステムの形成を進めるとしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。