導入企業数1万社を突破したInstaVR、AWS元マーケティング本部長の小島氏がCMOに

ウェブ上で手軽にVRアプリを作成できるツールInstaVRを提供するスタートアップのInstaVRは1月19日、アマゾンでマーケティング本部長を務めていた小島英揮氏が1月からCMO(最高マーケティング責任者)として参画したことを明らかにした。同氏はInstaVR のユーザーコミュニティの構築や、テキサス州オースティンで開催される SXSW2017 内でのInstaVRのキックオフイベントを中心にマーケティング業務全般を担当するという。

小島氏はAWSの1人目の社員であり、世界最大のクラウドコミュニティ「JAWS-UG(ジョーズユージー。 Japan Amazon Web Service User Group の略))を創り上げてきた。多くの人を巻き込みながら熱量のあるコミュニティを形成し、事業の成長につなげていく手法を手がけてきた人物だ。

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InstaVRのCMOに就任した小島英揮氏

2016年9 月にAWSを退社した後もコミュニティ・マーケティングの勉強会を主催しており、その資料をInstaVR代表取締役社長の芳賀氏が発見。gumi 代表取締役で同社のシード投資家でもある國光宏尚氏の紹介で直接話をし、議論を深めていった。

元々クラウドの次にチャレンジしたい分野としてVRには関心を持っていた小島氏。最近のイチオシ書籍だという「〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則」(ケヴィン・リー著)の中で、VRがこらからやってくる不可避な流れとして紹介されているが、小島氏自身もそのように感じていたそうだ。

芳賀氏と議論を深めていく中でその市場とツールの可能性に魅せられ、「7年前のクラウドを同じく、VRという言葉はみんな知っているが、その良さを”自分ごと”にできていない人が多いというのも、自分のクラウド市場立ち上げでの経験を活かせると思った」(小島氏)ことが参画を決めた理由になったという。

InstaVRは2016年8月にグリーベンチャーズ、Colopl VR Fundを割当先とした2億円の資金を調達。当時は1800社ほどであった導入企業の数は2017年1月で1万を突破している。海外売上比率は90%に上り、今後も接客的に海外展開を目指すとしている。

「現状、VR自体が黎明期ですので、自社製品の認知に限定せずに、幅広くVRそのものの認知を広げ、適用事例を増やす活動を行って頂きたいと考えています。小島さんがAWSで『一部の人が使うクラウドの世界をAWSで民主化した』ように『まだ一部の人に閉じこもってしまっている VR の世界を民主化する』活動を期待しています」と芳賀氏が話すように、今後も「だれでも簡単に当たり前にVRが使える世の中を実現し、ありとあらゆる人がありとあらゆる体験ができる世界」の構築を目指し、事業を推進していく。

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TechCrunch Japan

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