成長企業に「収益ベース」の資金を提供するUncappedが約14億円調達

英国ロンドンに本社を置きワルシャワにも拠点を持つスタートアップのUncappedは、欧州の成長企業に「収益ベース」の資金を提供すべく、12月1日に正式に活動を開始し、デット(融資)とエクイティの組み合わせで1000万ポンド(約14億円)の資金調達を発表した。

Rocket InternetのGlobal Founders Capital、White Star Capital、Seedcampが資金を提供した。エンジェル投資家も多数参加した。Passion CapitalのパートナーであるRobert Dighero(ロバート・ディゲーロ)氏、GoCardlessのCOOのCarlos Gonzalez-Cadenas(カルロス・ゴンザレス=カデナス)氏、Butternut Boxの共同創業者であるDavid Nolan(デビッド・ノーラン)氏とKevin Glynn(ケビン・グリン)氏などだ。

同社は、シリアルアントレプレナーでMidriveのCEOだったAsher Ismail(アッシャー・イスマイル)氏とベンチャーキャピタル(VC)出身のPiotr Pisarz(ピオトル・ピサルス)氏が創業した。融資先となる若い企業のマーケティング、営業、会計データを分析し、現在と将来の売上(収益)に基づき融資を決定する。

具体的には6%の定額料金で1万ポンド〜100万ポンド(約140万円〜1億4000万円)の運転資金を調達できると同社は説明する。成長企業にとって資金調達の賢い代替手段となるとして売り込む。成長に向けた資金需要はあるが、株式を発行したくない企業を狙う。

「起業家が資金調達する際に最初に判断を迫られるのは、株式(エクイティ)と負債(デット)のいずれで調達するかだ」とイスマイル氏は説明した。「エクイティは成長への資金供給手段としては時間がかかりコストも高い。デットはリスクが増える。当社は、エクイティとデットファイナンスの間に位置する代替手段として、両方のメリットを提供する。起業家が会社の一部を切り売りしたり、家を担保に入れたりする必要がないようUncappedを創業した」。

Uncappedは起業家が「個人保証、信用調査、新株予約権、株式」を提供しなくても資金調達できるようにする。エクイティへの投資家や伝統的な形態のデットファイナンスよりはるかに迅速に対応することも約束する。

「事業計画、キャップテーブル(株主ごとの持ち株要約表)、会社売り込み資料を提示する必要はない」とイスマイル氏は語る。「当社に必要なのは業績の確認だけ。Stripe、Shopify、Facebookなど、会社が使う販売やマーケティングのプラットフォームに接続する。収益ベースで融資することで、創業者は、売り上げが落ちたときや販売市場が低迷したときに返済額を減らせる柔軟性を得る」。

唯一のルールは、企業が各種支払いをオンラインで行っており、少なくとも9カ月の取引履歴があること。そのためUncappedは、eコマース、SaaS、消費者向け直販、ゲーム、アプリ開発企業に向いている。「最初の顧客はオンラインメンズウェアブランドのL’Estrangeだった」とピサルス氏は言う。「eコマースビジネスの場合、通常12月が資金需要が生じる最も困難な時期。クリスマスセールが始まる前に仕入れとマーケティングのコストがピークに達するからだ。当社は3日以内に融資できる」。

イスマイル氏は、Uncappedがこの手のビジネスではヨーロッパで最初の会社であり(多少言いすぎ)、非常に異なる形態ではあるものの、VCがおそらく最も近い非伝統的資金調達手段だと主張する。

「今年欧州でVCによる投資は350億ドル(約3兆8000億円)に上ったが、多くの企業はベンチャーモデルに適合していない」とイスマイル氏は述べた。「投資先は持ち分を売る気がない家族経営の企業、ニッチな市場で勝負する起業家、伝統的な資金提供者が見落としがちな少数派かもしれない。典型的なVCは年間1500社と会って、そのうち5社しか支援しない。当社は何百もの企業に成長資金を均一料金で迅速に提供できる。企業はアーリーステージで持ち分を犠牲にする必要はない」。

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(翻訳:Mizoguchi)

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TechCrunch Japan

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