Lernstiftは、書いてるとき単語のスペルを間違えると振動する。しかしそれだけではなく、これを中心にいろんなアプリのエコシステムを作れる。最近Kickstarterに登場したばかりだが、どんどん出資希望者が集まっているので、18万3000ドルという慎ましやかな金額はすぐに集まって、本格生産を始められそうだ。
ミュンヘンの起業家Daniel KaesmacherとFalk Wolskyが作ったLernstiftは、手書き文字を認識するソフトウェアを使って、ユーザが綴りを間違えるとすぐにそのことを指摘する。たぶん教育者にとって嬉しいのは、文字の手書きを支援するから、子どもたちの学習(知識と記憶)を助けることだ。タッチ画面やキーボード全盛の今日では、単語の正しい綴りや書き方なんて、なかなか身につかないことが多い。実はこのプロジェクトは、ファウンダの奥さんの一人が、子どもに間違いを自動的に教えるペンを持たせたい、と嘆いたことがきっかけだ。
このペンは文字と言葉を認識して、それらを自分の辞書データベースと比較する。それも、今ユーザが書いている言葉をリアルタイムで読んで認識し、間違いを見つけると振動する。たとえば、police(警察)をpolliceと書くとその間違いを見つけるし、あるいはpoleezのようなデータベースにない言葉を書くとユーザはレッドカードをもらう。まだ現状では、書いてる途中で言葉を予測する能力はないが、その能力もいずれ身につける予定だ。
Lernstiftの中では、組み込みシステム用のLinuxが動いている。その基板には、センサー、プロセッサ、メモリ、WiFi、振動モジュールなどが載っている。
さらにおもしろいのは、APIを公開する予定があることだ。だから、誰もが、センサーと、WiFiでリアルタイムで送信される手書き文字認識データを利用して、このデジタルペン用のアプリケーションを作れる。
たとえば子どものLernstift利用履歴とそれを統計分析したデータから、親は勉強の進み具合を知ることができるだろう。あるいは複数のLernstiftユーザがコラボレーションして一つの文書を書き上げることも、できるかもしれない。そのほか、Lernstiftを使う学習ゲームや、手書きのハガキをインターネットでおじいちゃんおばあちゃんに送る、などのアプリケーションもいいね。学校の教室には、本格的なリアルタイムのモニタリングシステムがあるといいかもしれない。
Lernstiftは、3月にドイツのWAYRAで行われたインキュベータコンテストで優勝した。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))