obniz(オブナイズ)は7月30日、トリプル・ダブリュー・ジャパンが企画・開発・販売している排尿予測デバイス「DFree」(ディー・フリー)の法人用タイプ「DFree Professional」において、「obniz BLEゲートウェイ」がゲートウェイ機器として採用(2021年2月)され、2021年6月より全国の介護施設などに導入されていることを発表した。
トリプル・ダブリュー・ジャパンの排尿予測ウェアラブルデバイス「DFree」
トリプル・ダブリュー・ジャパンのDFreeは、超音波センサーを用いて膀胱の変化をとらえることで排尿タイミングが分かる、世界初の「排泄予測デバイス」。軽量で持ち歩きやすく、ベッドや車いすの上、リハビリ中などでも動きを妨げないIoTウェアラブルデバイスで、介護施設や医療機関など法人向け「DFree Professional」と個人向けの「DFree Personal」が用意されている。従来の排泄ケアでは困難だった、被介護者それぞれの状態に合わせたケアをサポートし、被介護者本人のQOL(生活の質)向上と介護者の負担軽減を実現できるという。
様々な身体状態の被介護者が同じ空間にいる介護施設・医療機関の場合は、DFree Professionalであれば膀胱の膨張・収縮度合を超音波センサーで常時検知してデータを可視化し、被介護者それぞれの排尿タイミングや傾向を1台の携帯端末から確認できるようになる。obnizは、超音波データの高速で頻回な通信を安定化させる環境構築も実施し、「DFree Professional」の機能を裏側から支えているという。
また排尿の頃合いや傾向が分かれば、介護士はより円滑に介助できる上、失禁なくトイレで用を足す回数が増えるとオムツやパッドの費用を節約できるという。さらにこれは、被介護者本人の自立排泄の促しにもなり、DFreeの普及は、全国約684万人(厚生労働省「介護保険事業状況報告の概要」令和3年4月暫定版)の要介護・要支援認定者の自尊心を支えるという価値を持っているとした。
2015年2月設立のトリプル・ダブリュー・ジャパンは、DFree以外にも、超音波技術を活用した「排泄ケア、排泄領域のソリューション」として排便予測デバイスもすでに開発中。「家庭や介護施設での体調管理用モニタリングプラットフォームの開発・構築」も視野に入れているという。
BLEデバイスとネットワークをつなぐ、obnizの「obniz BLEゲートウェイ」
obniz BLEゲートウェイは、BLE(Bluetooth Low Energy)デバイスとネットワークの接続や、情報取得・管理を容易にするというもの。ソフトバンク子会社エンコアードジャパンが開発した「コネクトハブ」を、obnizが独自のIoTテクノロジー「obniz」を活かしてカスタマイズしたゲートウェイ機器という。BLE通信が可能な様々なIoT機器に対応しており、センサーやビーコンなどの一元管理を低コストで実現できる。
電源とWi-FiまたはLTE環境があれば、コンセントに挿すだけでセットアップができるほか、専用クラウドにより各ゲートウェイとデバイスの死活監視や管理、台数増減、プログラムのアップデートなどまとめて完了できるそうだ。
obnizは、IoT(モノのインターネット)時代を先見し2014年11月に設立したスタートアップ。複雑なプログラムや回路の開発を不要にし、インターネット上で対象物の管理や解析、遠隔操作を可能にする技術「obniz」を活用し、ホビーから教育、産業分野まで製品とサービスを提供している。
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