医療用ハードウェアの多くが、既製品だ。カテーテルもインプラントも、単純に手近にあるものを使う。でも、未熟児用のとても小さなコネクタや、特殊な形のブレースが必要なときはどうするか? 3Dプリントの出番だ。
Northeastern大学の研究者たちが、個々の患者に合わせたプラスチックやセラミックのインプラントを作り始めている。それがあれば医師は、微細な組織を傷つけたりしないし、またどんなインプラントを挿入するときでもダメージを防げる。
“新生児の場合は、個体によるサイズの違いが大きいし、また抱えている問題もさまざまだ”、とNortheasternの准教授Randall Erbは語る。“でもこれからは、個々の患者に合った形やサイズのカテーテルをプリントして、患部への正確な挿入ができる。静脈に穴をあける心配もなく、薬剤等を迅速正確に移送できる”。
研究者たちの最新の研究論文がここにある。
そのシステムはプラスチックとセラミックのファイバを使って、精度の高い剛体オブジェクトを作る。セラミックファイバを使っても、穴やカーブを作れるし、耐久性はプラスチックより高い。研究者たちによるとそれは、木や骨のような丈夫な自然オブジェクトを作るやり方と同じだそうだ。
チームは光造形法と磁力を使ってセラミックファイバの位置と方向をコントロールする。最初にファイバを磁化するやり方はFDAも認可しており、その合成素材の各部に超微弱な磁界を与え、液状プラスチックに浸したセラミックファイバを最終製品の仕様に従って整列させる。それは、強度のある素材を押出成形によらずに成形する、巧妙なやり方だ。
システムはまだ試験中だが、実用化はもうじきだ。