毎月980円を払えば、仕事終わりの1杯が毎日無料で楽しめる——GUBITが7月6日にリリースした定額制の乾杯アプリ「GUBIT(グビット)」は、お酒好きにはもってこいのサービスといえそうだ。
GUBITは会員登録をして月額980円(税抜)のプランを購入することで、掲載されている飲食店であればどこでも、毎日ドリンクが1杯無料になるというもの。
使い方はシンプルでアプリから行きたいお店を選び、あらかじめ登録されているドリンクの中から飲みたいドリンクを決定。あとはお店で画面を表示して店員にコードを入力してもらえれば、おまちかねのドリンクがやってくる。
提供されるドリンクについては写真付きで掲載され、ビールとハイボールに関してはブランドや銘柄まで事前にチェックできるという。
GUBIT代表取締役の正木武良氏によると、現在はアルコール飲料のみが対象。ビールやハイボールのほか、日本酒、焼酎、サワー類、ワイン、スパークリング、ホッピーセットなど、どの加盟店にも複数のドリンクを提供してもらっているそうだ。
リリース時は首都圏エリアを中心に約100店舗が掲載。新宿で何十年も続く大衆居酒屋から、練馬のカジュアルフレンチ、六本木のクラフトビールのお店まで、ジャンルは幅広い。
今後は首都圏だけでなく、関西や名古屋、福岡など新規エリアも含めて店舗を拡大する準備を進める予定。「基本的には毎日使っていただくサービスにしたいと考えているので、普段使いのお店を中心に拡大していきたい」(正木氏)という。
GUBITに加盟する店舗にとっては、比較的飲食店の利用頻度の高いユーザーにリーチできるのが魅力だ。いろいろとヒアリングを進める中で、「1来店で1ドリンクは店舗側の集客コストとしては成立しうる」(正木氏)という感触を得たためリリースに至ったのだという。
現時点では店舗側の初期費用や月額費用、ユーザー来店ごとの成果報酬などは無料。加盟後6ヶ月を経過した店舗を対象に、GUBITを通じて提供されたドリンク数に応じたインセンティブの提供も予定している。
GUBITを開発した背景は「年を重ねるごとに行くお店が決まってきた、新しいお店に入りにくい、結婚したり子供ができると飲み代が減る」といった、すごく個人的なものだという正木氏。
「家で飲むのもいいけど、やっぱりお店でも飲みたい。できれば少しでも安く、そしていろんなお店で飲めるといい」と考えリサーチをしている中で、海外の定額制サービスの存在を知り興味をもったそうだ。
「これなら毎日飲みに行けるからすごくいいなと。ただいろいろ検証してみると、日本の生活スタイルでは定額制をやるにしても工夫が必要だと感じた。特に店舗側にどうメリットを提供できるかは勉強が必要だった」(正木氏)
そこで上述したようにヒアリングを重ね、最終的に現在のGUBITのモデルに落ち着いたのだという。
「基本的には、自分を含め世の酒飲みのためのサービスを目指したい。オンラインでのサービスは他にもあるが、『お店に行って一杯飲んでいろんな人との出会いや語らいが生まれる』というような、どちらかというとオフラインでの密な関係が生まれるサービスにできたらいいなと考えている」(正木氏)
GUBITは2018年2月の設立。同年6月に複数の個人を引受先とする第三者割当増資により、総額3000万円の資金調達を実施した。
なおGUBITと近いコンセプトのサービスは日本でもいくつか公開されていて、TechCrunchでも過去に「Foobe」や「HIDEOUT CLUB」を紹介している。