灯(あか)りが良ければ仕事にも疲れずに打ち込める。Fluxoがクールなのは、そこだ。クラウドファンディングで作られたこのユニークな電球は、光の色をさまざまに変えられるだけでなく、光が向く方向を、天井や部屋の隅など、自由に変えられる。
この光源は意外なほどコンパクトだが、複数のLEDが入っていて、光をさまざまに構成(コンフィギュレーション)できる。コントロールはアプリから行うが、構成の指定は画面上で指をすべらせるだけでできる。
ただし、400ドルもするFluxoを‘電球’と呼ぶのはためらわれる。これまであなたの家の天井の方にあった照明器具を完全にリプレースする‘スマートランプ’と呼ぶべきだ。その光束は2800ルーメンのRGBW光(red, green, blue, white)で、器具の上と下にLEDのリングが複数ある。点灯消灯は人の動きを感じて自動的に行い、既存の照明編成の仲間に加えてもよい。
Fluxoを作(創)ったRobert KopkaとLukas PilatはPhilipsのエンジニアだった人たちで、ウィーンに住んでいる。ぼくは実際に製品を見る機会があったが、感動したし、来年9月の発売は確実だ、と感じた。
400ドルの電球は売りにくいが、Fluxoのようなランプならそれ自身に説得力がある。ださいシャンデリアをこれ一個でリプレースするし、光の方向を変えられるから、お客を迎えたディナーのときと、そのお客に核兵器を搭載した潜水艦の秘密基地の場所を聞くときとでは、光の演出を完全に変えられる。このランプがあれば、第三次世界大戦が始まる気配を、あなたは誰よりも早く知るかもしれない〔もちろんジョーク〕。