データの量はどんどん増え、1つひとつの機械学習モデルに対して適切なデータセットを見つけるのは場合によっては難しい。Exploriumは、それを簡単にするプラットフォームを作っているスタートアップだ。同社は米国時間7月28日に、シリーズBで3100万ドル(約32億5500万円)を調達したと発表した。
このラウンドを主導したのはZeev Venturesで、Dynamic Loop、Emerge、01 Advisors、F2 Capitalも支援した。Exploriumによれば、これまでの調達金額の合計は5000万ドル(約52億5000万円)となった。
CEOで共同創業者のMaor Shlomo(マオール・シュロモ)氏は、同社のプラットフォームはモデルに合うデータを見つけたい人を支援するために設計されていると言う。「分析における次のフロンティアは、特定のアルゴリズムをいかに調整したり改善したりするかではなく、できるだけ有用で影響力のあるアルゴリズムにする目的に合うデータセットをいかに見つけるかということになるだろう」と同氏は語る。
パンデミックが発生して、企業のこうしたニーズは以前より高まっているとシュロモ氏は述べる。これまでのデータが予測モデルの構築の役に立たない場合に、適切なデータセットを見つければ妥当なデータを見つけやすくなる可能性があるからだ。例えば小売業の場合、店舗を営業できなくなった地域に関してはその企業が持っている過去の購買データは関連性がなくなるだろうと同氏は説明する。
「組織が解決しようとしている業務上の問題に影響を与える環境要因はたくさんある。そこでExploriumが業務上の問題を解決するためのデータを検索するレイヤーになり、顧客の予測モデルを進化させようとしている」(シュロモ氏)。
パンデミックが発生した3月、シュロモ氏はパンデミックが自社に及ぼす影響を懸念し、雇用を控えた。しかし4月と5月に業績が伸びているのを見て、雇用を再開することにした。同社のイスラエルと米国のオフィスには現在87名の従業員がいて、今後数カ月で100名にまで増やす計画だ。
雇用に関してシュロモ氏は、特定の学位を取得しているとか特定の学校に行っていたというような厳密なルールは設けないと言う。同氏は「重要なことはただひとつ、成功を渇望する良い人材を採用することだ。カルチャーやグループが多様になれば、メンバーがお互いを発見しさまざまなカルチャーを発見して楽しくなる」と説明する。
資金調達に関して言うと、Exploriumは成長を加速するために資金を必要としていたものの、2019年のラウンドで得た資金はまだ十分に残っていた。「パンデミックが発生してどれぐらい続くかわからず、(最初のうちは)パンデミックによってビジネスがどの程度影響を受けるかもわからなかった。既存の投資家は我が社に対して常に楽観的だった。我々はその見方に従うことにした」とシュロモ氏は語った。
同社は2017年に創業し、2019年のシリーズAでは1910万ドル(約20億550万円)を調達した(未訳記事)。
画像クレジット:Explorium
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(翻訳:Kaori Koyama)