熊本県の新電力会社 熊本電力 が、仮想通貨マイニング事業への参入を発表しました。太陽光の余剰発電などを活用し、1kwhあたり10円台の安価な電力を採掘に利用できるとしています。
熊本電力は、太陽光発電所の建設・運用を担うTake Energy Corporation傘下の新電力会社です。電力自由化に伴い、主に九州・関東地方で電力の売買業務などを行っています。
仮想通貨マイニング事業への参入にあたり、関連会社のOZ(オズ)マイニングを設立。熊本電力の安価なエネルギー供給によるデータセンター型、およびコンテナ型のマイニング施設を構築し、顧客に販売するとのこと。また、複数マイナーが協力して採掘するクラウドマイニングシステムの販売にも取り組むとしています。
モルガン・スタンレーのレポートによると、仮想通貨マイニングによる電力消費は、2018年に世界全体の総消費電力の0.6%に達する公算があるとのこと。これは、アルゼンチン1国の総消費電力に匹敵します。
九州地区は太陽光発電が盛んなことでも知られており、九州電力管区では2017年5月に、昼の総電力需要の7割を太陽光がまかなったことでも話題となりました。一方で、太陽光発電所が増加し続けると昼間だけが過剰発電となるため、既存の発電所が出力調整に追われることになります。調整がうまくいかない場合は停電になることもあり、これを避けるために太陽光発電所への出力抑制が検討されています。
しかし、それではせっかく発電したエネルギーを有効活用しきれない点が問題となっています。熊本電力によると、仮想通貨マイニング事業は、これら自然エネルギーの過剰発電問題の解消にも繋がるとのことです。
見出しの写真は熊本電力親会社のTake Energy Corporationが運営するメガソーラー「水増ソーラーパーク」。写真は同社HPより
Engadget 日本版からの転載。