筑波大発スタートアップiLACが伊藤忠と資本業務提携、全ゲノム解析事業が加速

茨城県つくば市拠点で全ゲノム解析事業を展開するiLAC(アイラック)は1月7日、大手総合商社の伊藤忠商事と資本業務提携を発表した。

iLACは、個人のゲノムを高速解読する「次世代シークエンサー」(遺伝子の塩基配列を高速に解読できる装置)を運用し、代謝産物なども含めた統合解析が可能な唯一の全ゲノム解析の技術を擁する、2012年8月設立の筑波大学発スタートアップ。創業者(サイエンティフィックファウンダー)は筑波大学プレシジョン・メディスン開発研究センター長である佐藤孝明氏。アドバイザー(サイエンティフィックアドバイザー)には、大阪大学名誉教授で、以前はDNAチップ研究所で代表取締役社長だった松原謙一氏が就任している。

伊藤忠によると、全ゲノム解析は、患者の個人レベルで最適な治療方法を分析・選択する「プレシジョン・メディスン」(個別化精密医療)の観点からますます重要なっているとのこと。そして、ゲノム情報を解析することで病気の予測ならびに発症前診断を通じ、最適な予防医療が期待できるとしている。全ゲノム解析を含む次世代診断・検査の世界市場は2025年に1.5兆円、各年3.6倍の成長率で拡大するという予想もあり、先行する欧米各国に追い付くためにも今回の資本業務提携は重要な一歩となる。

伊藤忠商事は今回の資本業務提携を通じ、全ゲノム解析プラットフォームの構築をiLACと共同で進める計画だ。また、伊藤忠グループのネットワークを駆使して、製薬企業とのデータ連携による創薬支援や、健診データと組み合わせた予防事業への展開といった関連事業の産業化を目指すという。

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TechCrunch Japan

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