約50億円のVCファンドがクロアチアのスタートアップシーンを加速

これまでクロアチアはスタートアップが盛んな国とは見られていなかった。近年で最も有名なテック企業はおそらく、首都ザグレブのスタートアップでポルシェのライバルになりそうな電動スーパーカーを作ったRimac Automobili(リマック・アウトモビリ)だろう。しかし東ヨーロッパの多くの国がそうであるように、クロアチアの技術力は高い。東ヨーロッパ諸国には、ソビエトがあった時代から長く続く工学と科学の豊かな遺産がある。

自国のVCファンドであるFil Rouge Capital(フィル・ルージュ・キャピタル)が登場して、クロアチアは成長しようとしている。同ファンドは若い起業家、スタートアップ、スケールアップ企業に投資し、クロアチアに起業のエコシステムを確立する計画だ。

Fil Rouge Capitalは先月の時点で完全に運営を始めており、すでに4200万ユーロ(約49億7000万円)以上の資金提供のコミットメントを受けている。投資家がクロアチアでのスタートアップエコノミーの成長に強い関心を持っていることの現れだ。

同ファンドのStevica Kuharski(ステヴィッツァ・クハースキ)氏は次のように語る。「スタートアップにはチャンスが必要だ。Fil Rouge Capitalは、まさにそのチャンスをクロアチアにもたらす。最も初期、初期、成長期にあるスタートアップの創業者にメンタリングと資金を提供する。Fil Rougeは、ソフトウェア、フィンテック、マーケットプレイス、製造、ハードウェア、IoT、ロジスティクスなどさまざまな分野に投資する予定だ」。

Fil Rouge Capitalは2023年末までの4年半の運営を目指し、クロアチアで事業に取り組む最大250社に対し、最も初期段階の企業を対象とする「スタートアップスクール」、すでに稼働している初期の企業を対象とする「アクセラレータープログラム」、そして最大150万ユーロ(約1億8000万円)の本格的な資金調達を目指す企業を対象とするプログラムの、3つのステージを通じて投資をしていく計画だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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