Y Combinatorで孵化したReadMeは、デベロッパ向けにAPIを提供している企業が、APIの良質なドキュメンテーションを容易に作れるようにしてくれる。
今はほとんどのサービスがAPIを公開しているから、それらを利用すれば自分が作るアプリケーションやサービスに高度な機能を簡単に実装できる。でも、APIをデベロッパにぜひ使っていただきたい、と願っている企業から見ると、そこにはデベロッパたちのマインドシェアを奪い合う激しい競争がある。
デベロッパには、自分のところのマップを使ってもらいたいし、自分のところのレストランレビューデータベースを使ってほしい、というとき、どうしたらいいか? APIの機能と特長を、デベロッパの心に強く焼き付けるしかない。誰もが、自分が最高の好印象を持ったAPIを、使おうとするだろう。
でもStripeの速い成長が示しているように、機能が比較的安定している場合でも、その技術の利用や展開が果たして容易か、ということは、また別の問題だ。Stripeのドキュメンテーションには、その決済・支払APIの使い方がとても分かりやすく書かれている(良質なAPIドキュメンテーションのお手本、と言われている)。これだけやさしく書かれていれば、有料会員制を試してみたいと思っている個人のブロガーでも、あるいはもっとスケールして売上を増加させたいと願っているスタートアップでも、容易にその望み…決済支払機能…を実装できるだろう。
ReadMeはProduct Huntでとても好評だった。ローンチがやや遅れたにもかかわらず、大きな関心が集まった。同社は早くから利益を上げるようになり、また、オープンソースの人たちも注目した。オープンソースのチームは、このサービスを無料で使える。
ローンチしたばかりのクローズドソースのプロジェクトはReadMeの上にデベロッパハブを作って、そこからドキュメンテーションを提供できる。サービスの基盤にあるAPIキーの生成機能も便利だが、デベロッパにいちばん人気があるのは月額60ドルのサービスだ。ユーザはそこでカスタムドメインとHTML/CSSによるレイアウトを利用でき、またAPIエクスプローラーがドキュメンテーションの中からAPIの機能を試行/試用させてくれる。まさに、デベロッパハブ的な機能だ。
ReadMeの協同ファウンダGabriel Dillonによると、今では50万人のデベロッパが、さまざまなオープンソースプロジェクトや、Yammer、Getaround、IndiegogoなどのAPIのドキュメンテーションに、ReadMe上でアクセスしている。
スタートアップのデザインやエンジニアリングを指導しているGregory Kobergerによると、デベロッパが自分の目的に応じて最適のAPIを検索〜発見できるようになれば、ReadMeの魅力はさらに向上する。その点に関しては、最終的には、ユーザの閲覧履歴やGitHubのプロフィールなどからReadMe自身が判断して、お役に立ちそうなAPIをリコメンデーションしてくれるようになるだろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)