ケールもキノアもコラードもご用心。あなたたちのスーパーフードの王座をねらっている新しいグリーンが、Kuli Kuliという名前のスタートアップからやってくる。同社は、市場規模380億ドルと言われる合衆国の健康自然食品市場で、一旗揚げようとしているのだ。
同社はすでに、西アフリカ産のモリンガ(日本語Wikipedia)を粉末やサプリメントやバーにしたものを、全国150の健康食品店で売っている。
元平和部隊のボランティアが2年足らず前に始めたスタートアップにしては、立派なものだ。
Kuli Kuliを創ったLisa Curtisは、平和部隊の一員として2年間をニジェールで過ごした。この国で働いているとき地元の村人たちが彼女に、その地の珍味Kuli Kuliを振る舞った。それはピーナッツとモリンガのペーストで、農産物の種類が豊富でない地域で人の命を支える、貴重な栄養食品だった。
Curtisによると、モリンガはケールよりも栄養分が多くて、世界でもっとも栄養豊富な植物の一つだ。マラウイやセネガルの政府は、非都市部の人口の栄養状態を改善するために、モリンガの栽培と摂食をすすめている。
モリンガが当地の伝統作物でないのは、その移出市場が存在しなかったからだ。でもCurtisは、ヨガママたち(健康美容意識の強い女性層)にこの新しいスーパーフードを売り込むことによって需要を掘り起こし、アフリカの国々の経済を豊かにしたい、と期待している。
同社はすでにモリンガの供給地として、北部ガーナに女性たちの協同組合を作っており、西アフリカの経済を同社が2014年に潤す額は2万ドル、とCurtisは見積もっている。
Curtisは、この、ややにがみのあるグリーンについて、こう説明する: “タンパク質含有量はケールの2倍で、しかも各種アミノ酸成分の揃った完全なタンパク質だ。カルシウムは25%多く、鉄分は3倍だ”。CEOというより、栄養士みたいだ。
26歳のCEOはクラウドファンディングプラットホームAgFunderから35万5000ドルを調達し、またFoundry Groupの協同ファウンダBrad Feldからも支援を取り付けた。Feldのようなプロの投資家だけでなく、小麦グルテンを含まないコーシャフードの有機食材クラッカーMary’s Gone Crackersをブランドとして育てたMary Waldnerからも、いくばくかの支援を受けた。
得られた資金は、チームの構築と、量産体制の整備に充てるつもりだ。もちろん、営業やマーケティングにも。
Curtisにとって、アフリカ現地におけるモリンガの栽培普及と増産は、研究課題というより非常に現実的な課題だ。平和部隊で現地にいたとき、彼女の目の前で栄養失調の子どもが気絶して倒れた。彼女は自分の荷物の中にある救急食のスナックバーをその子に食べさせようとしたが、それが何であるかを説明するのに、(相手が理解する説明としては)、「kuli kuliよ」という言い方しかありえなかった。
Curtisは語る、“今の世界には過食の人が10億人いて、十分に食べられない人が10億人いる。これまで西欧に知られていなかったアフリカの産品の市場を作ることができれば、現地でそれを栽培する人が増え、そして現地消費も増える。それによって、多くの人の命が支えられる”。〔関連記事。〕
今、会社としてのKuli Kuliは、売上の15%を、モリンガの栽培の普及に努力しているNPOに寄付している。
“農業への投資は、人びとが貧困から抜け出すための最良の方法だ。でも最近の50年間では、全世界の農業投資はおそろしいほど減少している”、と彼女は言う。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))