ServiceNow(サービスナウ)はインド・ハイデラバード拠点のRPA(ロボットによる業務自動化)スタートアップIntellibot(インテリボット)の買収を発表し、RPAを思い切って取りこむ最新の企業となった。両社は買収価格を公表しなかった。
今回の買収は、企業が組織内の業務の自動化に目を向けていることを受けてのものだ。RPAは往々にして人が退屈な繰り返し作業を行うことをともなう一連の古いプロセスを自動化する方法を提供する。
発表はServiceNowの2021年3月初めのノーコードワークフローの発表に続くもので、同社のクリエイターワークフロープロダクト担当のSVPであるJosh Kahn(ジョッシュ・カーン)氏によると買収は社の広範なワークフロー戦略の一環だという。
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「RPAはローコードツール、ワークフロー、プレイブック、150超の統合、機械学習、プロセスマイニング、予測分析を含むServiceNowの現在の自動化機能を増強します」とカーン氏は説明した。今回の買収で企業はRPAをネイティブのものとしてプラットフォームにもってくることができ、それでも顧客が必要とするなら他のベンダーのRPAボットを使うこともできると同氏はいう。
「ServiceNowの顧客はAutomation Anywhere、UiPath、Blue PrismといったRPA専門のベンダーのボットを組み込んだワークフローを構築でき、また当社は引き続きそうした企業との提携を続けます。顧客がインテリジェントでエンド・ツー・エンドの自動化作業をNow Platformで構築するとき、当社のパートナーのRPA機能とともに当社ネイティブのRPA機能を使いたいというケースが多く出てくるでしょう」とカーン氏は説明した。
この買収は、他のエンタープライズベンダーがRPA市場に参入する中で行われた。SAPは2020年12月末に新しいRPAツールを発表し、1月にプロセス自動化スタートアップのSignavioを買収した。一方、Microsoftは2021年3月初めに無料のRPAツールを発表し、この分野は明らかに大手企業の注意を引きつつある。
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ServiceNowはこの1年ほどで、Element AI、Loom Systems、Passage AI、Sweagleを含む5社を立て続けに買収した。買収はすべて企業が組織内で自動化を構築するのをサポートするサービスだとカーン氏は話す。
「これらすべてのテクノロジーをNow Platformに持ってくることで、当社はより多くの洗練されたユースケースを自動化する能力を向上させます。手書きのものや電子メール、PDFのような書類の非構造化データのより良い取り扱い、そして大きなデータセットやルーティーンでないタスクのようなより弾力性のある自動化などです」とカーン氏は話した。
Intellibotは2015年に創業され、インドにおける強固な足がかりをServiceNowにおまけとしてもたらす。両社は2021年6月までの買収完了を見込んでいる。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ServiceNow、買収、RPA
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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi)