陽気なキャンディカラーの3D肝臓プリントモデルが、腫瘍に立ち向かう医師たちを助ける

肝臓は素晴らしいものだ。クラッカーにペーストしても美味しいし、敗血症からあなたの血液を守ってもくれる。しかしこの奇妙な臓器を手術するためには、少しばかりの幸運と十分な準備が必要とされる。有り難いことに、更に良い準備手段が現れた。

ここ数ヶ月の間、ポーランドのクラクフにあるヤギェウォ大学医科大学の医学生、Jan Witowskiは、医師向けの、肝臓の3Dモデルを作成してきた。それを医師が手術の前に眺めることで、様々な不測の事態に備えることができるようにするためだ。彼はそのプロセスに関する論文を書いている。彼の作成したモデルの例を以下に示そう。

このモデルは、肝臓の内部にある特に厄介な腫瘍を表している。Witwoskiの3Dモデルは、肝臓を内部の循環系と一緒にプリントするだけではなく、外科医が直面する可能性のある様々な潜在的問題を可視化する。このことによって、外科医による腫瘍の摘出を容易にすることができる。

「私たちはこれらのモデルを、通常の手段をとることのできない、複雑な腹腔鏡手術を手助けするものとして作りました」とWitowskiは言う。「そうした手術は、手術中に起き得る合併症や血液の損失を低減することが重要なので、更なる可視化が必要とされているのです。外科医たちは、手術をある時点で臓器の中で何が起きているのかを実際に見ることはできません、そして内視鏡を用いているために実際に肝臓に触れて腫瘍の感触を確かめることもできないのです。彼らはモデルを手術中に見て、腫瘍が大きな血管からどれくらい離れているのか、あとどれ位切除する必要があるのか、などを判断することができます」。

WitkowskiはCTスキャンデータを使い、STLモデル(3次元モデル)を作成し、PLAフィラメントを用いる標準的な3Dプリンターで印刷を行った。彼は「肝臓の実質部分」を構築し、それをシリコン材料と組み合わせることで、外科医が肝臓の内部を見るだけでなく、その重量や形も知ることができるようにした。

「3Dプリントモデルは、患者の解剖学的構造の空間的関係に対して素晴らしい可視化を提供します。腫瘍の大きさや、周囲の血管や肝臓表面への近さを把握することが容易になります。また他の利点として『モデルを感じる』可能性を挙げることができます。実際に触ることができることで、手術の計画をより高いレベルで練ることができます、従来の仮想的に画面上で表現された視覚化よりも、物理的なモデルはよりリアルなものとして使うことができるのです」と彼は言う。

ということで、次にあまりにも沢山のマイタイを飲みすぎて、肝臓が悲鳴を挙げたときには、Witkowskiが文字通りバックアップしてくれる(またはモデルを作る)日が来るかもしれない。

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(翻訳:Sako)