“音”を元にスマホで3分で設備機器の異常を診断、スカイディスクの「スマート聴診棒」ベータ版

センサデバイスの開発からAIを活用したデータ分析まで、IoTサービスをワンストップで提供するスカイディスク。同社は9月21日、スマホのマイク機能を使って取得した「音」により、設備機器の異常診断ができる「スマート聴診棒」のベータ版を発表した。

スマート聴診棒はスマホやAIを活用して、工場などで必須となる機器の診断の仕組みを変えるサービスだ。従来の方法では「聴診棒」という棒状の器具を用いて、それぞれの機器から発せられる振動音をもとに異常診断を行っていた。

機器の定期的な診断は法律や社内規定により義務付けられている一方で、高度な技術や経験が必要になるため熟練の技術者を選任する必要がある。技術者の高齢化が進み、培われた経験やノウハウを継承することも課題となっていた。

スマート聴診棒では専用のスマホアプリを使い、異常診断を行いたい機器の振動音のサンプルデータを20分間かけて取得する。そのデータをスカイディスク側でAIを用いて分析、異常を判定するための学習モデルを作成。完成したモデルをアプリにインストールしておけば、現場の担当者が対象の機器に3秒間スマホをかざすだけで異常診断ができるようになる。

学習モデルをインストールしておけば、オフラインでも診断が可能。異常があった場合は箇所の特定など詳細の判定もしてくれる。

福岡に拠点を置くスカイディスクは、2013年の創業時から着脱式センサとデータ分析プラットフォームを提供している。2016年にはニッセイ・キャピタル、アーキタイプベンチャーズ、ドーガンから1億円を調達。2017年4月にはセンサーで取得したデータをもとに機器の故障を予測する「SkyAI」をリリースした。

以前から電力会社向けに音声データを活用したAIによる故障予測サービスを提供。そこから得られたノウハウを活用してスマート聴診棒が開発された。今後ベータ版の実証実験を行う予定で、現在は体験企業を募集している。

 

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TechCrunch Japan

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