うちの家族のような原始人は、3Dスキャンが人の魂を盗み取ると信じていて、立体画像の持ち込みすらうちでは許されない。でもEora 3Dスキャナなら、もしかして許されるかもしれない。相当複雑なマシンなのに外見がとてもシンプルで、しかもカメラをたった一つしか使わないからだ。
これを作ったオーストラリアのシドニーのRahul KoduriとAsfand Khanは、太陽光を一点に収束する研究をしている人たちだ。そこから生まれた3Dスキャナは今、Kickstarterで資金を募集している。
Koduriはこう説明する: “Eora 3D Scannerは、手ごろな値段の高精度な3Dスキャナがほしい、という自分たちのニーズから生まれた。太陽光発電の効率を上げるために、朝から夕方まで太陽の位置を追うパラボラアンテナみたいな装置を作ろうとしていた。その設計と仕様作成のためには高精度な3Dスキャナが必要だったが、100ミクロン以下の精度のものは、5000ドル以上もする”。
自作を決心した彼らはプロトタイプを作り、理想の仕様に到達した。
そのシステムは物の表面をグリーンのレーザーでスキャンする。レーザーはBluetoothでスマートフォンのカメラに接続し、物の点群(point cloud, ポイントクラウド)を驚異的な精度で作り出す。しかも、小型のスキャナにしては珍しく、フルカラーでスキャンする。
“Eora 3D Scannerにはグリーンのレーザーがあり、またカメラのCMOSセンサはグリーンのスペクトルへの感度がとくに高い(通常の2倍)ので、屋外などいろんな条件で3Dスキャンができる。人間という動物も緑の中で進化してきたから、グリーンのスペクトルに対する感度がとくに高い”、とKoduriは語る。
これで作った3Dモデルは、ゲームや3Dプリント、プロトタイピングなどに使える。彼らがデモとして見せてくれたAssassin’s Creedのキャラクターのスキャンは、わずか一回のスキャンでびっくりするほど詳細だ。スキャンに要する時間は、単純な物なら3分ぐらい、複雑な物ならもっと時間がかかる。自動ターンテーブルがあるので、物のすべての面を100ミクロン以下の精度で捕捉できる。
Cup Face
by eora 3D
on Sketchfab
Kickstarter上で初期の支援者には199ドルで提供される(目標額は50000ドル)。その目標額はとっくに突破しているから、これからは誰もが安価に、見事な3Dスキャンを楽しめる。その楽しさを知ろうとしない、うちの家族が気の毒だ。