3DプリントやVRのための3Dデザインを簡易化大衆化したいVectaryがシードで$2.5Mを獲得しニューヨークへ引っ越し

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3Dプリンターが気軽に買えるお値段になり、ユーザー人口が大きくなったことによって、新しい起業機会が出現している。それは、シンプルな3Dデザインツールだ。またVRが普及の端緒についたことも、そんなツールのニーズを拡大している。そこでもやはり、オブジェクトや環境を3Dでデザインしなければならない。

3Dプリントのネット上の大きなコミュニティとしてThingiverseがあるが、そこには3Dのモデルを作る機能はない。Autodeskの123dはプロのユーザーが対象だが、同社には子ども向けの無料のアプリケーションBlenderもある。しかしそれは、プラットホームとそのユーザーコミュニティではない。だからここには、コミュニティと3Dモデリングツールを合わせたプラットホームでもって、より広いオーディエンスを獲得できそうな機会がある。

Vectaryがねらっているのが、まさにそれだ。シンプルで使いやすいと同時に、プロが短時間でデザインできるために必要とする機能も揃っている。そして、デザインの共有や議論、カスタム化などのベースとなるコミュニティ機能も。

今回同社はシードラウンドで250万ドルを調達した。ラウンドをリードしたのは、ベルリンのBlueYard Capitalだ。シード前の段階でも投資をしたブラティスラヴァのNeulogy Venturesと、数名のエンジェル投資家も参加した。

CEOで協同ファウンダーのMichal Koorはこう語る: “工業デザインの仕事をしながら、デザインをもっと効果的にやりたいと考えていた。そこで余暇時間には、デザインをパラメータで制御できるツールを開発していた。たとえばスライダーをちょっと動かすだけで形状を変えたり、またそれに対する対話的なフィードバックが得られるようなやつだ。さらにその後、この方式にコミュニティが組み合わされば、誰もが容易に3Dモデリングを始められるようになる、と悟った”。そこで、もう一人の協同ファウンダーPavol Sovisとともに、Vectaryを立ち上げた。

Vectaryは、ブラウザー上で使えるWebアプリケーションである。いちいちゼロからデザインしなくても、コミュニティのページへ行って既存のモデルをカスタマイズすれば、たいがいのデザインは作れる。3Dモデリングという仕事が、これで一挙に易しくなり早くなる。今なら誰でも、ベータユーザーとして登録できる。

今はブラティスラヴァ在籍だが、今回得られた資金により、本社をニューヨークに移す予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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