3D射出成形オモチャ、3Doodlerの可能性と限界

初めて3Doodlerのニュースを報じた時、私はすごく興奮した。それは子供たちに3Dプリンティングをもたらす簡単で楽しいツールだ。熟練オモチャ作者2人が作ったこの製品のヒットは約束されていた ― そしてその通りになった。Kickstarterで230万ドルを集め、ホリデーシーズンで予想外のヒットとなった。 そして今、これが一般販売され ― かつ私がこれで遊ぶ時間が増え ― 今でも楽しい製品であることに間違いはないが、当初私が予想したのとは違うものだった。

はっきりさせておくが、3Doodlerは3Dプリンターではない。これはABSまたはPLA樹脂を自由に絞りだす一種のグルーガンだ。ボタンが2つあり、樹脂の移動方向 ― 前進と後退 ― を制御できる。最良の使い方は、プラスチックをごく少量ずつ押し出し、樹脂が固化する時間を与えるように引っぱりながら3D作品を作っていくことだ。次善の方法は、平面で2D物体を作り、熱い樹脂でそれをつなぎ合わせることによって、エッフェル塔のような非芸術家には作ることが不可能だった作品を作ることだ。

私は、3Doodlerの制約に失望も驚きもしていないが、大喜びの10歳児にとっては違うかもしれない。デバイスは大人専用だが、これは、早い話が、おもちゃだ。親たちはこれを知った子供たちが欲しがることを覚悟しておくこと。大人は他をあたった方がいい。例えばこんな問題がある。

オモチャとしてはほぼ完璧だ。ノズルは高温になるが最少限のやけどで済むよう保護されており、射出プロセスは実にシンプルだ。プラスチック棒は専用品の他、Monopriceで買った安いフィラメントも使える。練習するだけで大量のフィラメントを消費することは間違いないので、少しでも使おうという人は材料をまとめ買いすることを薦めする。

「道具」としては、ちょっとバカバカしい。芸術的外科医の手を持つ人でない限り、出来上がりはよく言って不安定であり、イライラが募るだろう。アートや工作の非常に簡単な3Dラフスケッチには悪くない。ハムスターの家やArduinoのケースを作るには向かない。

これは試す価値がないという意味ではない。このデバイスの美点は、近頃のオモチャにあまりにも欠けている〈遊びの自由さ〉を独特な型で与えてくれることだ。あの火起こしセットや化学薬品セットと同じく、3Doodlerはちょっと危ないけれども、またやりたくなるほどに楽しい。Makerbotを置き換えることはないだろうが、3Dプリンティングに関心を持つためのドアを開くものだ。トールの実物大レプリカを作れないことに子供たちが気付いた後は、オモチャ箱の奥にしまわれるかもしれないが、それはあなたの子供たち次第だ。

そういうわけで、3Doodlerは楽しさいっぱいだ。多くを望みすぎた人たちにとっては失望もあるだろうが、額面通りのことは間違いなくできる。ヘンテコで気の利いた小物くらいは作れる。もしこれで印象的な作品を作ることができれば、それはあなたの才能と努力の証だ。それは何事においても真実なのだろうが。

【日本語版注:日本ではナカバヤシが発売予定




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(翻訳:Nob Takahashi / facebook