AIを使って企業の電話着信を管理するGoodcallが約4億3900万円を調達し、Yelpとの提携を発表

人員不足がなかったとしても、地方の商店では、スタッフが忙しい中、同時に電話に対応するのは困難だ。そこで、Goodcall(グッドコール)は、アメリカの3,000万の中小企業の負担を少しでも軽減したいと考えている。

Goodcallは、人工知能を活用して電話の着信を管理し、あらゆる規模における企業のカスタマーサービスを向上させる、クラウドベースの会話プラットフォームを無料で提供している。Goodcallは、Google(グーグル)の元役員であるBob Summers(ボブ・サマーズ)氏が、実験的プロジェクトのための社内インキュベータープログラム、Area 120に取り組んでいたグーグルを1月に退社して立ち上げたもので、同氏は電話の抱える問題に気づき、実際に加盟店にかかってくる電話の60%が応答されていないことを指摘していた。

「これは、あなたにとっても、電話をかけてきた人にとっても、イライラするものです。電話に出られないことは、機会損失につながります。」とTechCrunchに語っている。

Goodcall社は、戦略的投資家であるNeo(ネオ)社、Foothill Ventures(フットヒル・ベンチャーズ)社、Merus Capital(メルス・キャピタル)社、Xoogler Ventures(ゾグラー・ベンチャーズ)社、Verissimo Ventures(ベリッシモ・ベンチャーズ)社、VSC Ventures(VSCベンチャーズ)社に加え、Pipe.com社の創業者兼共同CEOであるHarry Hurst(ハリー・ハースト)氏、Zillow(ジロー)社の共同創業者であるSpencer Rascoff(スペンサー・ラスコーフ)氏などのエンジェル投資家から400万ドル(約4億3900万円)のシード資金を得て、水曜日(米国時間9月1日)にサービスを開始することを発表した。

Goodcallのモバイルエージェント(画像クレジット:Goodcall)

Goodcallは、レストラン、ショップ、商店などが数分で設定でき、さらに現地の電話番号を設定することで、オーナーの携帯電話番号をビジネスのメイン回線にする必要がなくなる。このサービスはまず英語で展開され、2022年までにスペイン語、フランス語、ヒンディー語での運用を予定している。

加盟店は、6種類からアシスタントの声を選ぶことができ、通話ログや通話内容をモニターすることができる。Goodcallは消費者の感情も把握できるとサマーズ氏は言う。

同社は3つのオプションを用意しており、そのうちの1つは、個人事業主やビジネスオーナー向けのフリーミアムサービスで、1つの電話回線で月に500分までGoodcallのサービスを受けることができる。さらに5つの拠点と5人のスタッフまで追加できるProレベルは月額19ドル(約2090円)、拠点とスタッフが無制限になるPremiumレベルは月額49ドル(約5380円)となっている。

同社のテスト期間中、Goodcall社は月に数千件の電話対応を処理していた。今回の資金調達は、無料サービスの継続、エンジニアの雇用、製品開発の継続に充てられる。

今回の資金調達に加えて、Goodcall社はYelp(イェルプ)社との提携を発表しており、Yelp社が保有するローカルビジネスのデータベースを活用して、企業のオーナーや管理者がGoodcall社を簡単に導入できるようにするねらいだ。Yelpのデータによると、パンデミックの間に50万以上の企業が新たにオープンしたとのことだ。Goodcallは、Yelpから営業時間、所在地、Wi-Fiの有無、COVID対策ポリシーなどの情報を引き出せる。

「私たちは、小規模企業に関する最高のデータを持つYelpや、その他の大規模な流通チャネルと提携して、製品を市場に送り出しています。私たちは、1980年代から革新のなかった業界にテクノロジーを導入し、雇用創出の主役でもある小規模企業のために会話型AIを普及させ、その成長を支援したいと考えています。」とサマーズ氏は語っている。

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TechCrunch Japan

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