AIプラットフォーム運営のABEJAが42.5億円を調達

AIプラットフォーム「ABEJA Platform」などを展開するABEJAは6月29日、9社の投資家を引受先とした第三者割当増資により総額で約42.5億円を調達したことを明らかにした。

今回ABEJAに出資したのは以下の企業だ。

  • PNB-INSPiRE Ethical Fund 1投資事業有限責任組合(既存投資家)
  • NVIDIA Corporation(既存投資家)
  • 産業革新機構(既存投資家)
  • SBI AI&Blockchain 投資事業有限責任組合
  • ダイキン工業
  • TBSイノベーション・パートナーズ2号投資事業組合
  • トプコン
  • 日本郵政キャピタル
  • 武蔵精密工業株式会社

ABEJAは2012年の創業。当初よりディープラーニングを軸とするAIを活用したプラットフォーム「ABEJA Platform」の開発に取り組んできた。様々な業界、顧客に合わせたソリューションを提供しており、AIの本番運用を支援した企業数は100社を超えるという。

昨今自社ビジネスへのAI活用に関心をもつ企業も増えているが、人手や時間、コスト、データ、社内プロセスなどが課題となり、実運用まで至らないケースが多いのも現状だ。そこでABEJAでは過去の開発実績やノウハウをオープンなプラットフォームとして提供している。

ABEJA PlatformではAIのビジネス活用で必要となる「取得」「蓄積」「学習」「デプロイ」「推論・再学習」という5つのプロセスにおいて、インフラや周辺システム等を利用できる環境を整備。AIの実装および運用において大幅な省力化・自動化を見込めるのが特徴だ。

またこのABEJA Platformを利用して、各業種に最適化した特化型SaaS「ABEJA Insight」も運営。現在は小売・流通業界製造業界インフラ業界を対象とした3サービスを手がけている。

ABEJAは今回調達した資金をもとにAI運用システムの拠点を整備し海外展開を加速するほか、ABEJA Insightの対象業界を拡充する方針。またさらなる成長に向けて研究開発やそれに紐づく知的財産活動の強化、AI領域の専門人材の採用など組織体制の強化に取り組むという。

投稿者:

TechCrunch Japan

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