AppleがiPhoneの工場における二つの有害化学物質の使用を全面的に禁止

われわれが信じたい方向とは逆に、スマートフォンの生産は一般的にあまり環境にも健康にもやさしくない。レアアースの採鉱、無数の有害な化学物質、製品を全世界に出荷することに伴う大量の有害排気ガス、そのきたならしさは、Captain Planetがついにこの惑星を見捨て外宇宙へ旅立つに十分である。

Appleはこれまでかなり積極的に工程の改良に取り組み、その成果を公表してきた。いずれもささやかな努力にすぎなかったかもしれないが、同社は今日(米国時間8/13)もまた、新たな一歩を印(しる)した。

二つの発がん物質(ベンゼンとノルマルヘキサン)の使用に関するChina Labor WatchとGreen Americaからの陳情を受けてAppleは、同社の22の組立工場における化学物質の使用と労働者への影響を調査することになった。

ベンゼンは、名前を知っている人が多いだろう。それは、ガソリンのオクタン価を上げエンジンのノッキングを防ぐための添加剤として使われていた。一方ノルマルヘキサンは、接着剤の製造に使われることが多い。しかし電子機器の製造過程ではどちらも、素早く簡単に蒸発してしまう便利な洗浄剤として使われている。

どちらも、それ自体で相当におそろしい化学物質である。十分な接触によりベンゼンは、がんや白血病、染色体異常、臓器異常の原因となる。ノルマルヘキサンはめまいや眠気を招き、ありとあらゆる種類の神経系の異常の原因となる。

AP通信の記事によると、Appleは22の組立工場のうち4つで、これらの化学物質の痕跡を見つけた。しかしそれらの工場で、労働者の健康障害の証拠は”見つからなかった“。しかしAppleはより前向きに動いて、“最終組み立て工程”におけるこれらの化学物質の使用を全面的に禁じた。

もちろん、“最終組み立て工程”は、数十段階から成る全工程の一つにすぎない。だからこれは、スタートにすぎない。

[写真: RDECOM/Flickr, CreativeCommonsのライセンスによる]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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