Amazon Web Servicesがまた値下げをした。今回の値下げ対象は、二つのサービス: Simple Queue Service(SQS)と、Amazon Simple Notification Service(SNS)だ。
SQSは、複数のコンピュータ間を行き来するメッセージを保存するための、スケーラブルなキューを提供する。アプリケーションの各部位が分散しているとき、このようなメッセージングシステムによってお互いが正しく協調〜シンクしながら動くことができる。各部位そのものに、いちいち直接アクセスする必要がない。したがって、SQSを利用するとワークフローの自動化が容易にできる。デベロッパは、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)とAWSのそのほかのインフラ的Webサービスとの正しい連動を確保できる。
SNSは、クラウドからの通知をセットアップし、操作し、送り出す。この通知処理により、アプリケーションからのメッセージをパブリッシュする、サブスクライバーたちやほかのアプリケーションに配布する、などのことができる。それは、Web上のコンピューティングをより容易にするための便宜の一つだ。
値下げの概要は以下のとおり:
- SQS APIは50%値下げ、100万リクエストあたり50セントとなる。
- SNS APIは17%値下げ、100万リクエストあたり50セントとなる。
- SQSとSNSの無料層が拡大され、各月リクエスト100万までとなる。これまでの10万を一挙に10倍。
値下げの発効は明日(米国時間3/1)から。GovCloud(US)を除くAWSの全リージョンに適用される。
値下げは、このところのAWSの基本戦略の一環だ。この前はS3ストレージが値下げされた。AWSのその戦略は、いわゆる薄利多売だ。サーバ(サービス)のスケールが大きくなれば 、提供単価を安くできる。またボリュームディスカウントと提供コンピューティングパワーの拡大により、顧客に最適能力を提供できる。同時にAWS側の余裕も拡大し、ふたたび値下げが可能になる。そんな“善循環”をAmazonはねらっている。
値下げは、競争の激化のたまものでもある。Google Compute Engine(GCE)と、デベロッパたちに好評なWindows Azureも、共に値下げを繰り返している。オープンソースのOpenStackも、今後ますます、そのインフラストラクチャの可利用性を高めるだろう。だから、競争の激化はこれから加速する一方だ。値下げは、サービスの価値を高める重要な要素の一つになる。