Courseraは3月5日に上場を申請する計画

オンライン教育のプラットフォームであるCourseraは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの間も成長が途絶えることなかった。情報筋によると、米国時間3月5日に株式上場のための申請書類を提出することになったという。引受人や引受企業との話し合いは2020年から行われてきたが、3月5日は同社のIPO過程の、最初の法的手続きとなる。

マウンテンビューに本社を置く同社は2012年に創業され、プライベートマーケットにおける最後の評価額、2020年7月のシリーズFにおけるそれは、24億ドル(約2600億円)だった。ブルームバーグはCourseraの最新の企業価値を50億ドル(約5420億円)としている。

最新の資金調達で同社のキャッシュバランスは3億ドル(約330億円)となり、それは同じくオンライン学習プラットフォームCheggの上場前とほぼ同額だ。CourseraのCEOであるJeff Maggioncalda(ジェフ・マッジョンカルダ)氏は、IPOへ向かう意思を最終的に表明した。

Courseraは、パンデミックの間に多忙だった。同社は同じく上場を計画している大規模オープンオンラインコースのUdemyと並んで、そのビジネスにエンタープライズ部門を加えた。それはCoursera for Campusと名づけられ、大学などが自分でオンラインコースを開設することを助ける。この、入学試験やクレジット制もあるソフトウェアは、世界の3700を超えるカレッジなどが利用している。この事業の収益は不明だが、UdemyのUdemy for Businessの場合は年商2億ドル(約220億円)弱で安定している。2021年2月に同社は、企業の公共性を表すB Corp証明を取得した。それは、企業の社会的および環境的パフォーマンスが高いことを表している。また同社は、単なる民間企業から公益企業(public benefit corporation)に転換した。

EdTech企業を主に支援しているVC企業GSVが、Courseraのファンドの最大の部分を受け持っている。GSVの先の発表では、そのFund Ⅱの総額は1億8000万ドル(約200億円)となっている。

EdTech企業が、マーケットの熱気が衰えず、リモート教育が授業の主流であり続ける間に上場を志向するのは、理に適っている。最近上場した同業他社のうち、NerdyとSkillsoftはSPACを利用して公開市場にデビューした。そして、上場した場合のCourseraはこれらの新進企業だけでなく、ベテランのEdTech公開企業である2UやChegg、K12 Inc、Zovio Solutionsなどとも肩を並べることになる。

関連記事:個別指導サービスのEdTechスタートアップNerdyがSPACを介して上場へ

Courseraは、コメントの求めに応じなかった。

カテゴリー:EdTech
タグ:Coursera新規上場

画像クレジット:MirageC/Getty Images

原文へ

(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。