シアトルのボーイング本社ではシャンペンを抜いてお祝いしているに違いない。DARPA〔国防高等研究計画局〕のクールな宇宙往還機のプロトタイプの開発をボーイングが受注することに成功した。このプロジェクトを巡ってボーイング、ノースロップ・グラマン、Masten Space Systemsの3社が競争していた。
XS-1宇宙往還機は研究衛星、偵察衛星などを安価に低軌道に送り込めるようにするのが目的だ。最終的には一回の飛行コストを500万ドルに押さえ、年間最低10回飛行できるようにしたいという。
このプロジェクトはNASA,、空軍、民間企業のハイテクの総力を結集するものになる。軽量で超低温に耐える燃料タンク、マッハ10になる大気圏再突入時の高温に対応した強力な複合素材翼などの開発が必要だ。これにより1.3トンのペイロードを低軌道に乗せる。
こういうスーパー・ハイテク・プロジェクトの常としてデモビデオが制作されている。ただこういうビデオは2005年頃に中学生がありあわせの素材をつなぎ合わせたような出来栄えなのはどうしたわけだろうか。
DARPAのプログラム・マネージャー、Jess Sponableはプレスリリースで、「われわれはXS-1プロジェクのフェーズ1においてボーイングが達成した成果を歓迎している。新しく認可された予算により今後、フェーズ2、フェーズ3に進み、実機の組み立てと飛行を実現させたい」と述べた。
プロジェクトの第2段階は2019年まで続き、この間に設計を完了させ、推進システム(スペースシャトルのエンジンの改良版)のテストを実施する予定だ。その後2020年に10回程度のテスト飛行が予定されている。このテストの最後にはマッハ5以上の速度の飛行を10日で10回行うことになっている。.
XS-1についての最新情報はDARPAのサイトを参照のこと。.
〔日本版〕XS-1は無人機。ボーイング社は開発にあたってジェフ・ベゾスのBlue Originと協力しているという。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)