Fitbitのここ数年は奇妙な時期だった。フィットネストラッキングという新分野のパイオニアだったにも関わらずスマートウォッチのトレンドには遅れを取ったきらいがあった。それでも波に乗って業績を回復することに成功している。今やGoogleの一員となったFitbitだが、ここ数年ニュースで取り上げられるときは、腕時計本体よりもバンドが相当の部分を占めていた。
米国時間4月19日にFitbitはLuxeを発表した。これは一風変わった製品に思える。確かに市場はあると思うが、どの程度のニッチなのかはよくわからない。Fitbitはターゲットを「ニーズがまだ満足されていないユニークな購買層」と呼んでいる。つまりLuxeは、外出時にプラスチック製のバンドよりもう少し高級感があるバンドを身に着けたい人々のための「ファッショナブル」なトラッカーだ。
はっきり言ってLuxeはFossilのMisfitから影響されたものだ。Misfitは少し時代に進みすぎていたかもしれない。Luxeの149ドル(約1万6000円)という価格は同社のChargeとVersaの中間だが、Chargeに近い。Fitbitとしては上位モデルだが、価格帯はFitbitを含めたフィットネストラッカー全般のカテゴリーに収まる。
カラーのタッチスクリーンをステンレスのケースが囲んでいるデザインが特徴的で、確かになかなかかクールな外見だ。バンドもレザーからゴールドのステンレスまで幅広く用意されている。
今やGoogleの一員となった共同ファウンダーのJames Park(ジェイムズ・パク)氏はこう述べている。
この1年間、私たちは健康についてこれまでとは違った考え方をする必要に迫られました。現代社会のストレスや不安に対応して健康を守る努力を続ける一方で、新型コロナウイルスの症状が出ていないか注意する必要が出てきました。Fitbitでは精神と肉体を含め全体として健康であることをサポートする製品を積極的に紹介してきました。新しいLuxeは美しいデザインであるだけでなくテクノロジー的にも進歩を遂げており、より小さくよりスリムなったのトラッカーです。これまでスマートウォッチでしか利用できなかった先進的な機能が詰め込まれています。これによって高機能フィットネストラッカーが世界の人々の手の届きやすいものになりました。
下の動画はパーク氏自身によるLuxeの紹介だ。
パンデミックが続いたこの1年、計測された歩数は激減しているものの、身体的・精神的な健康がかつてなく重視されるようになったことは間違いない。このデバイスには通常のFitbitセンサーが搭載されており、活動量、睡眠、ストレスをトラッキングできる。また、最近発表されホリスティック医療のリーダー、Deepak Chopra(ディーパック・チョップラ)との提携を含め、マインドフルネス・瞑想アプリとも連携する機能を備えている。
バンドの予約は受付が開始されているが、製品の出荷は今春中とされ、具体的な日付は発表されていない。
関連記事:NASAが宇宙飛行士や従業員の新型コロナ感染予防にFitbitsデバイスを活用
カテゴリー:ハードウェア
タグ:Fitbit、ウェアラブルデバイス、フィットネス、トラッカー、Google
画像クレジット:Fitbit/Google
[原文へ]
(文:Brian Heater、翻訳:滑川海彦@Facebook)