失敗したクラウドファンディングプロジェクトをFTCはどう裁定したか、そのおもしろい詳細をFTC自身がポストしている。そのプロジェクトはThe Doom That Came to Atlantic Cityというボードゲームで、12万2874ドルを集めたが、製品はできなかった。作者のLee MoyerとKeith BakerはそのCthulhuが登場するボードゲームを2013年に発売するつもりだったが、メーカーForking PathのErik Chevalierはそのプロジェクトを完成させることができなかった。返金をしなかったChevalierは告訴されたが、彼はそのお金を家賃の支払やオレゴン州への引っ越し費用、私用の機器類の購入、別のプロジェクトのライセンス料などに使ってしまったらしい。
裁定でChevalierは、“経済状態が良くなったら”11万1793ドル71セントを返金すべし、となったが、FTCはこう書いている:
FTCはTwitterまで使って、この事案について語っている。“FTCの捜査の詳細は非公開なので具体的な議論はできない”、とは言っているが、クラウドファンディングプロジェクトの管理者は顧客を公正に扱うべし、とお説教している。
[クラウドファンディングのプラットホームには公平かつ公正に振る舞う責任がある。]
[消費者がクラウドファンディング詐欺を避けるための秘訣を当委員会はポストした。](http://www.consumer.ftc.gov/blog/doomed-false-promises)
クラウドファンディングの世界に、とても興味深い前例が作られた、という感じを受ける。FTCによる介入と裁定がある、ということになれば、詐欺的な、あるいは不真面目なプロジェクトのオーナーは、真剣に用心せざるをえないだろう。FTCが扱う金額としては10万ドルはひな鳥の餌程度だが、IndiegogoやKickstarterの悪質プロジェクトにFTCが目を光らせている、とわかっただけでも、すごいことだ。
FTCが今回明らかにしているのは、裁定があくまでも製作者の詐欺行為に関するものであって、クラウドファンディングの過程やKickstarterそのものとは無関係であることだ。今度また大きなキャンペーンがコケたとき、政府が誰に目をつけるかがわかった、と言えるかな。
[この事案はプロジェクトの作者が消費者に虚偽の約束をしてはならないことを示している。]〔リンク先: 「FTCはKickstarterで行ったプロジェクトの表現を責めたのか、それとも彼の返金不履行を責めたのか?」〕