元Google、さらに最近まではNutanixのCTOだったMohit Aronが始めたCohesityは、セカンダリストレージに対する企業の考え方を変えたい、と願っている。セカンダリストレージ(secondary storage, メインでない補助的サブ的ストレージ)とは、アナリティクス(データ分析)のような脇役的なアプリケーションのためのストレージで、いわば企業の本体的サービスを縁の下から支える役割を持つ。
開発に数年を費やした同社は、今日(米国時間6/17)ステルスを脱した。併せて同社は、これまですでに7000万ドルの資金を調達していることを、発表した。その内訳は、シリーズAの1500万ドルがSequoiaのリードで2013年、シリーズBの5500万ドルがARTIS VenturesとQualcomm Venturesのリードで今年の5月だ。後者にはAccel Partners、Battery Ventures、Google Ventures、Trinity Venturesらが参加した。
Cohesityのコンセプトによれば、企業は開発やアナリティクスのワークフローがいろいろあっても、複数のベンダやソリューションを使うべきではない。分断化によってかんじんの分析がかえって困難になり、したがっていろんなサービスに保存されているすべてのデータから真の価値を取り出すこともできない。そういう賢くない企業が抱えるストレージのことをAronは、“無能なリポジトリ(dumb repository)”と呼ぶ。
Aronの主張では、セカンダリストレージを扱う新しいソリューションは、単一の機能に特化する傾向がある。“最近登場したソリューションはどれも、バックアップならバックアップだけ、重複排除(dedupe)なら重複排除だけ、というように純化している”、とAronは述べる。“うちも、これまでの雑多なセカンダリストレージのワークフローを単一の、無限にスケーラブルな、ストレージプラットホームに収束して、混乱したデータに秩序をもたらしたい”。
Google時代のAronは同社のグローバルファイルシステムを担当し、彼とGoogleやVMware、Netflixなどからリクルートしたスタッフが、大規模なファイルストレージサービスの構築から学んだことを、このスタートアップに生かしている。
同社のプラットホームは今、構築に10万ドルを要したアプライアンスの上で、大量の計算処理とストレージ容量を支えている(96TBのハードディスクによる4ノードサーバと6TBのフラッシュストレージ)。企業顧客に対するCohesityの“売り”は、最初彼らに売るバックアップソリューションが、同社のスマートな重複排除(smart dedupe)アルゴリズムによってデータの保護を単純化していることだ。それにまた、Cohesityのストレージでは、企業のDevOpsチームがライブデータに一箇所で容易にアクセスでき、しかも、すぐそこにあるアナリティクスサービスを使ってすべてのデータのマイニングができる。
Aronは、Cohesityはほかのどんな競合ソリューションよりも大幅に安くてしかも管理しやすい、と主張している。