Googleの会長Eric Schmidtのもうすぐ出版される近著The New Digital Ageは、彼の遠慮会釈のない毒舌が山盛り。インターネット上の匿名性擁護は間違ってる、そして彼のTwitter批判などなど、Wall Street Journalが、4月に出る同書からいくつかのおもしろい引用を公開している。
Twitterについて “猿がシェークスピアの作品を書けないように、Twitterでは分析というものを作り出せない。”
これだけではよく分からないが、140文字では深い内容を書けない、ということか、それともTwitterというプロダクトのことか。でも、TwitterのファウンダBiz Stoneは、下のStoli Vodkaのコマーシャルで、Twitterがときどき確かにばからしい*ことを、ユーモラスに認めている。〔*: 原文コメント(現時点で41)が共有しているこの記事が秀逸。〕
検索エンジンについて: “検索結果の中では、本物であることが確認されたオンラインプロフィールがどこかにあるコンテンツが、そういう確認のないものよりも上位に来る。もちろんユーザの多くが、作者や筆者の本人性が確認されているコンテンツを(結果の上位にあるから)クリックすることになる。だから、匿名性のアドバンテージ云々という説は、間違っている。〔作者〜筆者がはっきりしているものが、上位に来る、ということ。〕
この発言は、デジタル市民権の活動家たちを怒らせるかもしれない。匿名性はプライバシーの維持に欠かせない、と見なされることが多い。しかしGoogleやFacebookは、コメントや検索結果に圧倒的に氾濫している愚かで無知な発言が匿名性のせいだ、と懸念している。検索に関して神に近い力を持つGoogleは、匿名の記事などを検索結果から完全に追い出すこともできるだろう。
サイバー戦争について: “今は国家が主導するサイバーウォーの時代だ、と言っても過言ではない。多くの人が、まだ気づいていないだけだ。”
今週初めには、Schmidtの本が中国を名指しで “もっとも高度で活発なハッカー”と呼び、暗にわれわれが中国と一種の戦争状態だと言っている、と報じられた。
ジャーナリズムについて: “インターネットによってニュースメディアとその報道内容は多様化し、またそれらの全体構造も複雑化している。この大きな混乱の中では、メジャーなニュースメディアは、報道量をより少なくし、検証努力をより多くすることになるだろう。低品質な報道や情報の氾濫とともに、おそらくエリートたちはますます、かねてから高い評価を得ている既製のニュース企業に依存するようになるだろう。
彼は、ブログやブロガーを否定しているのか? でもSchmidtはThe Atlantic紙で、TechCrunchを読んでいる、と言っている。だから彼が言うのは、もっとマイナーなサイトのことかもしれない。Schmidtさん、本誌TechCrunchを読んでくれてありがとう。Gmailを、もっと速くしてください。現状は遅すぎて、頭に来ます。
Googleの影響力は大きいから、彼の今度の本も単なる評論集ではなく、インターネットの未来に関する現実的な議論という性格を持つだろう。彼はGoogleを、民主主義の推進のための強力なリソースにしたい、と言っている。そんな彼は、民主主義におけるもっとも革新的な人物の一人だろう。WSJ紙の元の記事はこれだ。
[情報をありがとう: Alex Howard]