今日(米国時間10/24)シアトルで行われたTechStarsのDemo Dayで、PerfectがGoogle Glassのためのライフブログサービスをプレゼンした。このウェアラブルコンピューティングプラットホーム(Google Glass)のためのサービスが、メジャーなスタートアッププログラムに登場するのは、同社が初めてである。
このサービスはGoogle Glassに対する新鮮な取り組みで、これを使うと日々の生活をビデオに撮ることがおそろしく簡単になるだろう。Perfectは、Google Glassの、人のプライバシーを何でもかんでも侵して社会を監視社会にする、というネガティブなイメージをやわらげている。そういう未来の襲来を防ぐことはできないかもしれないが、このサービスはGoogle Glassをこれまでのビデオ撮影/制作よりも優れた表現媒体に変える。
ユーザはGoogle Glassでビデオを撮り、それをPerfectにアップロードする。そしてデフォルトでは、ユーザは8本のビデオから各3秒を切り取ってもらい、それをつないだ24秒を“予告編”とする。そういうビデオ編集をユーザ自身がやるのはたいへんだが、Perfectは各クリップを短くすることによって比較的簡単にそれらをつなぎ合わせる。そのストリームは、いつでも見たいときに見られる。
下のビデオはそういう“予告編”の例(複数)で、今日のTechStarsのイベントのステージで上映されたものだ。そのときの説明では、シアトルでの孫の生活を心配している祖母に見せるのだ、という。
Perfectがおもしろいのは、Google Glassをメディアにしているからだ。ユーザが作るビデオは時間軸に沿っている。人びとはこれらの“ライフヴログ(lifevlogs)”をストリームとして見る。YouTubeなどに投稿されたビデオを見る場合とは、相当違うユーザインタフェイスだ。
協同ファウンダのColin Homらは、ニューヨーク州オールバニ(Albany)の高校の同窓生だ。今日のステージでピッチをぶったHudson Duan(上のビデオの撮影者)はデューク大学の工学部へ行き、HomはMITへ行った。卒業後の彼らはカ州バークリーに住み、DuanはGoogle Glassでビデオを作り始めた。インターネットに接続された眼鏡は、ビデオを撮るために使うのがいちばん自然だ、と感じた。そこにHomも加わり、このサービスの開発を開始した。〔参考記事。〕
Perfectがぶつかった難問は、サービスのタイミングだ。そもそも、Google Glassがいつ本格生産に入るのか、それが分からない。Google Glassの知名度が上がってきたら、まずベータで公開したい。ストレージや付加的サービスを有料にすることも考えたが、とりあえずはサービスの開発が先決だ。まだまだ外部資金を仰ぐ段階ではない。毎月4000ドルぐらいが消えていくが、今のところは二人の貯金でまかなっている。
まだエディティングプラットホームのスクリーンショットもないし、今後のスケジュール表もない。それはこの記事にとっては残念だが、成否を握るのはあくまでもサービスの機能と質だ。
TechStarsのシアトルデモデーには優秀な人がたくさん登場したが、個人的にはPerfectが最高だった。まだかんじんのハードウェアが一般市販されていないから、彼らのサービスがビジネスとして成功しそうであることを、世の中に分からせるのは難しい。ましてや、もウェアラブルコンピューティングというコンセプトが表現のためのメディアであることをPerfectが分からせてくれるなんて、言葉でいくら言っても分からないだろう。なにしろ、PerfectによってGoogle Glassは、新種のビデオブログプラットホームという、新たな側面を見せてくれたのだ。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))