クリエイターが自分でデザインした画像や図案をアップロード(入稿)して、それをプリントTシャツとして販売できるサイトとしては、これまで国内にもClubTがあったけど、先日社名変更を行ったばかりのGMOペパボ(モチロン旧社名はpaperboy&co.だ)が今日、「SUZURI」という似たサービスをリリースした。
SUZURIは、自作のイラストや写真をアップロードするだけでTシャツやiPhoneケース、トートバッグ、マグカップとして商品化して販売できるECサービスだ。決済や発送といった販売に絡む作業はSUZURI側が行なうので初期投資や在庫管理のリスクなしにオリジナルグッズの販売できるそうだ。
SUZURIの特徴はシンプルさで、初期費用や月額利用料、販売手数料というのがない。ちょっと使ってみたところ、画像をブラウザにドラッグ&ドロップするだけで、さくっとTシャツやカップにプリントされた画像が生成されて仕上がりイメージを見ることができる。あとはタイトルや説明を加えて販売を開始すればいい。このときSUZURIでは「トリブン」を自分で設定できる。カタカナだと読みづらいが「取り分」のことで、製造原価やGMOペパボの取り分に上乗せする形で、デザイナは自分の取り分を自由に設定できる。
上の写真のTシャツに対して「ほしくねぇ」とTechCrunch部員は言っているが、この画像でみてほしいのはそこじゃない。SUZURIでは、ディスプレイ上で見る商品の素材やテクスチャ、シワ感などにこだわったそうで、よーく見ると確かに写真がペロンとカップに巻き付く感じに曲面として表示されていたり、Tシャツのシワのたわみに沿ってアップ画像が波打ってたりもするなど「合成感」は低めということが分かると思う。ちょっとテッキーなことを書き加えると、Webアプリ部分はRuby on Railsで作っていて画像生成はNode.jsで非同期で処理を行っているそうだ。
オープンしたばかりのSUZURIには、まだほとんど作品がないので今後どんなクリエイターやデザインが集まってくるサイトになるのか想像が付かない。「クリエイター」と呼ぶにふさわしい人々が集まればいいけれど、ネタっぽい投稿とか厨二病っぽい毛筆書き、あるいは本当の意味での落書きが増えたらどうなんだろうなと余計な心配をしてしまう。
ただ、GMOペパボはCtoCではこれまでにも古着フリマアプリ「kiteco」、ハンドメイド作品のオンラインマーケット「minne」なんかを展開していて、個人が手軽に取り引きできる分野を「スマートEC」として伸ばしているそうなので、こうしたマーケットの舵取りはお手の物なのかもしれないけどね。