KDDIが自由視点映像システムを開発する「4D REPLAY」に出資、プロ野球での実証実験も

昨日KDDIがIoTスタートアップのソラコムを買収したニュースは大きな話題となった。以前からスタートアップの買収や出資、共同開発に積極的だったKDDIだが、また新たなスタートアップとの協業を進める。

KDDIは8月3日、自由視点映像技術を活用したシステム「4D REPLAY」を提供する4D REPLAYに出資したことを明らかにした。この出資はグローバルブレインが運営する「KDDI Open Innovation Fund」を通じてのもので、金額は非公開。

4D REPLAYは2012年に韓国研究所を設立したのが始まりで、現在はアメリカのサンノゼに本社を構えるスタートアップ。同社が開発するのは「自由視点映像」と呼ばれる、少数台のカメラで撮影した映像を元に、撮影されていないアングルの映像を生成することができる技術だ。以下の動画(特に開始30秒以降)をみればどんな映像が作れるか分かるだろう。

これまでも韓国のプロ野球やWBC(ワールドベースボールクラシック)の中継で自由視点映像を提供してきた実績がある。今後はスポーツ会場の大型ビジョンや家庭用テレビで映像を提供することに加え、スマホやタブレット上でユーザーが任意の視点でライブ映像を楽しめるサービスを目指す。

KDDIもこれまで自社で自由視点映像の研究に取り組んできた。今回5~10秒という短い処理時間で映像生成できる技術を持つ4D REPLAYへの出資を通じて、この分野での研究開発を進めていく方針だ。加えて日本国内における法人顧客の開拓やサービス開発もサポートしていくという。

また国内での4D REPLAYを活用した初の事例として、8月5日と6日に札幌ドームで行われる北海道日本ハムファイターズvs.オリックス・バファローズの映像を撮影する。映像は同球場の大型ビジョンとCS放送で放映されるほか、スポーツメディア「SPORTS BULL」でアーカイブ配信される予定だ。

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TechCrunch Japan

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