LINEは8月29日、無担保の少額ローンサービス「LINE Pocket Money」を開始した。Androidユーザー向けの先行ローンチとなり、iPhoneユーザー向けには後日対応となる。
特徴はなんといっても、LINE上で申し込みから借り入れ、返済までのすべてのサービスを完結できること。紙の書類の送付や窓口での契約といった煩雑な手続きは必要ない。
とはいえ、ローンサービスを提供するには債権回収リスクを低減するための与信情報が必須だ。LINEでは、指定信用情報機関が保有する個人信用情報やみずほ銀行およびオリコが有する与信審査のノウハウに加え、先行してサービスが提供されていた独自の個人向けの信用度スコアリングサービス「LINE Score」で算出された信用スコアによって貸付利率と融資可能金額を決定する。つまり、これらを総合した信用度が高いほど、多くの資金を低金利で借りられるわけだ。
LINE Pocket Moneyで借り入れた資金を、LINE Payに即チャージ可能なのも特徴の1つ。手持ちの資金が心許なくなったときに、LINE上で借り入れてLINE Payですぐに決済できるのが強みだ。
返済方式は、残高スライド元利定額リボルビング方式。貸付利率(実質年利)は3.0〜18.0%。遅延損害金は20.0%。融資額は5万円〜100万円。いわゆるクレジットカードやキャッシングのリボ払いと同じなので、使いすぎに注意したい。
LINEでは、LINE Pocket Moneyのリリースを記念して、先着10万名に1000円相当のLINE Pay残高をプレゼントする1億円規模のキャンペーンも実施する。キャンペーンに参加するには、LINE Scoreでスコアを診断→LINE Pocket Moneyに申し込む→審査完了後にLINE Pocket Moneyを契約という3ステップを済ませればいい。
コード決済と組み合わせた少額融資サービスは「メルペイあと払い」という名称ですでにメルペイが提供済みだ。なおメルペイでは、メルカリやメルペイの取引実績を基にあと払いの限度額を決定しており、手数料として月額一律300円が徴収される。ただし支払いが遅れた場合は、遅延損害金としてメルペイあと払いの利用額に対して年利14.6%が加算される。
そのほかLINE Payと熾烈な戦いを続けているPayPayも、同じソフトバンクのグループ会社であるJ Scoreが個人向けスコアサービスを提供しており、PayPayと連携させた少額ローンサービスに乗り出す確率は高いだろう。このように、コード決済サービスを新たな局面を迎えている。
大事なことなので繰り返すが、使いすぎにはくれぐれも注意。