Microsoft Teamsに新機能多数、組織外とのチャンネル共有やPowerPointを使ったプレゼンも可能に

今週(バーチャルで)開催されている「Microsoft Ignite(マイクロソフト イグナイト)」は、ITを中心としたMicrosoft(マイクロソフト)の年次発表会だ。このイベントが最後にリアルで開催された2019年には、過去最多の2万6000人以上が参加した。そんな現在の状況を考えれば、2021年はMicrosoft Teams(マイクロソフト チームズ)が発表の中心となったことは当然と言えるだろう。なんといっても、今やTeamsはMicrosoftの生産性スイートの中核となっている。今回の発表は、新しい会議機能から会議室用ハードウェアに至るまで多岐にわたる。

Teamsの、そしてSlack(スラック)のような競合製品にとっても、中核となるのはチーム間にまたがるコラボレート機能だが、最近では組織外の人々とのコラボレーションも含まれるようになってきている。プライベートプレビューとして提供が開始されたTeams Connect(チームズ コネクト)は、組織の内外を問わず誰とでもチャンネルを共有することが可能になる。このようなチャンネルは、他のチームやチャンネルと並んで表示され、Teamsの標準的な使い方のすべてが利用できる。管理者はこれらのチャンネルを完全に管理でき、例えば外部のユーザーは必要なデータのみにアクセスできるように制限することも可能だ。この機能は2021年後半に広く提供される予定だ。

だが、個人ユーザーにとってより重要なのは、新たにPowerPoint Live(パワーポイント ライブ)機能がTeamsに追加されることだろう。この機能を使えば、いつもどおりプレゼンテーションを行えるだけでなく、同時にノートやスライド、ミーティングチャットを、1つの画面で参照することができる。また、プレゼンテーションを受ける側にとっても、自由に画面をスクロールしたり、音声読み上げ機能を利用するなど、不便を減らすための機能が用意された。この機能は発表と同時にTeamsで使用可能になっている。

画像クレジット:Microsoft

また、プレゼンテーションする側には、より見る人を惹きつけるために視覚的な効果を使ったPresenter mode(プレゼンター モード)が新機能として加わる。数種類のモードが用意される予定で、例えば「Standout(スタンドアウト)」モードでは、コンテンツの前にプレゼンターのビデオを放映することができる。「Reporter(レポーター)」モードは、ローカルTVのニュース映像のように、話し手の肩の上にコンテンツを表示する。そして「Side-by-side(サイド・バイ・サイド)」モードは、まあ、想像がつくだろう。この機能は2021年3月中に導入される予定だが、当初はStandoutモードのみで、ReporterとSide-by-sideは「近々」追加になると、Microsoftは述べている。

もう1つ、新たに加わる視覚的な機能は「Dynamic view(ダイナミック ビュー)」と呼ばれるものだ。これによってTeamsは、ミーティングのすべての要素を「最適な視聴体験のために」、それぞれの参加者に合わせてパーソナライズするという。「人がミーティングに参加したり、動画を流したり、発言を始めたり、発表を始めたりすると、Teamsは自動的に画面表示のレイアウトを調整し、パーソナライズします」と、Microsoftは説明している。だが、さらに便利なのは、画面の上部に参加者のギャラリーを配置し、自然な視線の維持を助けることだろう(AIによるトリックを使わずに)。

画像クレジット:Microsoft

大規模なミーティングでは、Teamsのユーザーは最大1000人もの社内外の人々と、インタラクティブなウェビナーを開催できるようになった。また、CEOが全員に向けてプレゼンテーションを行う必要がある場合などには、最大2万人までの視聴者を対象とした放送のみのミーティングも可能だ。これは2021年6月30日以降になると1万人に縮小される予定だが、その頃には新型コロナウイルスも収束し、ビジュアルイベントに対する需要の高まりも落ち着くだろうという考えに基づいている。そうなることを祈りたい。

我々がオフィスに戻れる時のために、Microsoftは会議室用の「Intelligent Speaker(インテリジェントスピーカー)」を開発している。これは最大10人の発言者の声を識別して、より正確な文字起こしが可能になる。また、同社ではDell(デル)などのメーカーと提携し、新しい会議室用のモニターやスピーカーバーも発売する。

Microsoft Ignite 2021

カテゴリー:ソフトウェア
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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