昨年の初めNvidiaは、AIスーパーコンピュータとして機能し、車に自動運転の能力を与える強力なシステムを編み出した。しかし、より安全な自動運転を実現するための、かなりの進歩は見られたものの、私たちが車を信用して全てを任せられるほどのレベルには、まだ遠く及んでいないようだ。
そこで「運転助手(Co-Pilot)」の登場だ。Nvidiaは、そのXavierドライブコンピューターに、運転手が運転を行う際にその補助を行う、新技術のAIアシスタントを焼き込もうとしている。そのAIアシスタントは、カメラやマイクなどを含む、あらゆる車内と車外のセンサーからのデータを取り込み、車内や周辺で何が起こっているのかを把握する。そしてそれは、何かに反応する必要があるときに、声あるいは可能な他の手段を通じて、運転手に通知を行う。
「AIが常時稼働しているだけで、車には信じられないほどの知覚能力が与えられます」。と語るのは、Nvidia CEOのJen-Hsun Huangだ。「私たちは、AI自身が運転したり、人間のために周囲に注意を払ったりすることになると考えています」。自動運転を行っていないときでも、それは周囲への注意を怠りません。例えば地図が変更されているとか、あまりに歩行者が多いといった理由で、AIが自動運転の安全性に確信が持てないときでも、それは状況への意識を完全に保ち、運転手のために注意を払い続けるべきです」。
今のところ、これはまだ少々新奇なアイデアもしくは研究プロジェクトのように見える。Nvidiaは、この技術を内蔵し、それをサポートするために必要なすべてのセンサーを備えた車を作るために、この先も複数の製造業者と提携する必要がある。ということで、私たちはこの技術が広く受け入れられたとき、そして受け入れられたとして、物事がどうなるかを正確に知ることはできない。そしてその実現は容易なものではないだろう。トヨタ研究所(Toyota Research Institution)の長Gill Prattは、私たちは完全自動運転からは「ほど遠い所にいる」と述べている。
同社は現在、ヨーロッパにおけるトラック業界のサプライヤであるZFと提携している。Hsunは、Nvidiaのドライブコンピュータを搭載した自動車を開発しているAudiとの協業と同様に、BoschもまたNvidiaのドライブコンピュータを採用すると語った(近日中に更に追加される予定だ)。
同技術の発表が行われたCESのステージで披露された1つの例は、近くの車線にオートバイが走っていた場合だ。もし運転手が完全な注意を払っていなかった場合には、運転手の視界に入っていないオートバイの前に車線変更しないようにするために、迅速な注意喚起が必要となるだろう。またこの技術は、運転手の顔を見ることで、どこを見ているのか、またどのような表情をしているのかを検知することができる。
「AIが注意を払うことになります、おそらくAIはあなたがいらいらしていて、停車して一休みすることが必要であることを検知することでしょう、そうした機能の提供も現在のAIネットワークなら可能です」とJen-Hsun Huangは語った。
このためには、NvidiaがGPUを構築する際に多くのリソースを投入したような強い活力が必要である。 Nvidiaは、多くのAI処理が、通常のプロセッサよりもGPUの方が得意な計算能力を必要とすることから、自身が有利な位置にいることに気付いている。それが昨年Nvidiaの株価を3倍に押し上げた原動力なのだ。
[原文へ]
(翻訳:sako)