英国のエデュテックスタートアップpi-topが、プログラムと電子工作学習のための新しいマシンを発表した。これはモジュラータイプのRaspberry Pi組み込み型ラップトップだが、今回は組立に必要な手順を大幅に削減しただけでなく、スライド式キーボードデザインを採用した。このことでQwertyパネルを引き出して、内部の電子工作用スペースにアクセスできる。
これはオリジナルのpi-topラップトップコンセプトと、より安価なpi-topCeedデスクトップとの賢い組み合わせだ。ディスプレイの下にレールがあって、アドオンの電子機器を取り付けることもできる (スタートアップによれば、150ドルのpi-topCeedは、STEM教育用のキットを望む学校やコードクラブで、人気のあるオプションとなっているそうだ)。
新しいpi-topラップトップは、pi-topの最も高価なエデュテックデバイスだ。Raspberry Pi 3付きで319ドル(またはなしで284.99ドル)である。
しかし今回の製品は、スタートアップが「発明家キット」と呼んでいるものとバンドルされている。これは実質的には、様々なハードウェアDIYプロジェクトを可能にするために選ばれた電子部品群だ。このキットを使って作ることのできるプロジェクトには、音楽シンセやロボット(トップの写真)などが含まれているということだ。
また、発明家キットに含まれる部品を使って、ティンカリング(試行錯誤を繰り返すこと)と工作を行なうための「沢山の道筋」をガイドする、ソフトウェアが含まれているということだ。
ラップトップ自体は、14インチの1080p LCDカラーディスプレイを持っていて、ストレージ用には8GB SDカードが提供されてる(さらに追加のストレージとデータへのリモートアクセス用に組み込みのクラウド管理が用意されている)。そしてバッテリは8時間以上の利用が可能になる予定だ。
工作に使える電子部品だけでなく、チームは独自のOS(Pi-TopOS Polarisという名称)も提供する。ハードウェアを駆動するPaspberry Piの上で動作し、コード学習のソフトウェアや、STEMに焦点を当てたゲーム(CivilizationスタイルのMMORPGゲームであるCEEDUniverse)も搭載されている。
似た分野で活動している、もう1つの英国のスタートアップ、Kanoも、新しいコード学習「ラップトップ」を発表したばかりだ。しかし、pi-topのデバイスの方が、試行錯誤向けの可能性とソフトウェア機能の両面で、かなり洗練されているように思える(Kanoのキットは250ドルで少し安くはあるのだが)。
pi-topラップトップにバンドルされたソフトウェアスイートは、Webブラウジングをサポートするだけでなく、Microsoft Officeと完全に互換性のある機能も含むという話だ。また、これらはオックスフォードケンブリッジRSA審査委員会が認定する唯一の学習ソフトウェアスイートであり、また別のSTEM資格認定証も取得済であるとのことだ。
ロンドンに拠点を置くこのスタートアップが、そのSTEMプラットフォームを世界的に展開することを狙って430万ドルのシリーズAラウンドを行ったのは、1年足らず前のことだった。
現在彼らのハードウェアプラットフォームは、世界中の1500以上の学校で利用されているということだ。これは1年前の500を上回る数字である。現在チームは、80カ国以上にデバイスを出荷している。
「pi-topの使命は科学、技術、工学、芸術、そして数学を活用させる、強力で触発的な製品を提供することです」と、CEOのJesse Lozanoは声明で述べている。「今回のモジュラーラップトップが、その目標を達成するお手伝いをします。若手ミュージシャンたちから科学者、ソフトウェア開発者、そして発明家まで、誰もがpi-topを使ってすばらしい新プロジェクトを探求し、創作することが可能になりました」。
「私たちは、スクリーンとキーボードだけではない学習方法を提供し、コンピュータサイエンスや基本的なエレクトロニクスの幅広い探究を可能にし、若い学習者たちがSTEAMベースの学習の世界に触発される機会を得られるようにしたいと考えています」。
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(翻訳:Sako)