編集部記:Greg GalantはCrunch Networkのコントリビューターであり、Muck RackやThe Shorty Awardsを運営するSawhorse Mediaの共同ファウンダーでCEOだ。
Snapchatは、私が年を取り過ぎたせいか理解することができなかった最初のソーシャルネットワークだ。
Facebookに加入したのは私が大学3年生の時で、Facebookが各大学のキャンパスで広がり始めたばかりだった。TwitterにもInstagramにも初期の段階で参加し、どちらでも@gregoryのユーザーネームを取得することができた。当時、こういったサービスの良さが「分からない」人をあざ笑っていた。
そしてSnapchatが登場した。アプリをダウンロードしたものの、私の友人は誰も利用していなかったため、その魅力を理解することができなかった。
多くの人は年を重ねるにつれ、新しいソーシャル・ネットワークを取り入れるのに時間がかかったとしても問題は起きないだろうが、私が共同ファウンダーを務める Sawhorse Mediaは、最高のソーシャルメディアを称えるThe Shorty Awardsを開催しているし、事業もソーシャルメディアを活用したPRとジャーナリズムのSaaSソリューションのMuck Rackを提供している。最新のトレンドとなっているソーシャルメディアを理解する ことが私たちの仕事にも関わらず、Snapchatを分かっているメンバーは多くなかった。
Twitterが取り入れられた過程を思い返してみれば、人はTwitterで行われているやりとりに加わるまでその良さが分からないというのは明らかだろう。そこに到達するまで、多く人は「たった140文字で価値のあることを伝えられるのか?」とか「ブログではだめなの?」と言うものだ。Twitterに深く入り込むことが、Twitterを理解する唯一の方法だ。チームがSnapchatを完全に理解することができるようになる方法について私は考えた。
そして思いついたのが、会社で「Snapchatデー」を開催することだった。1営業日のメール、IM、チャット、テキストメッセージ、Trelloでのコメント、Githubのバグ対応、更には電話も含め、全ての社内コミュニケーションを禁止した。代わりに、全ての社内コミュニケーションをSnapchatで行うのだ。
「Snapchatデー」の出だしは困難なものだった。Snapchatは、効率的な社内コミュニケーションツールとして設計されていないことは明らかだし、それを実感した。ただ、一日の半分が過ぎたころには、チームの全員、このプラットフォームでのメッセージの送受信が上手くなり、操作方法をある程度学ぶ必要のあるインターフェースの基本的な使い方を覚えていた。Snapchatでどのようにバグ対応を連絡するかって?コミット画面の写真を撮って送っていた。
Seamlessでメンバー分の食事の意向を聞いて注文するのも一苦労だった。
チームの最年少メンバーらが他のメンバーのメンターになった。他のメンバーというのは、25歳以上のメンバーほぼ全員だ。若いメンバーは、フォントサイズや色を変える方法、フィルターを付けてSnapchatのStoryを作る方法を教えた。一日の終わりには、全員がSnapchatでプロ並になり、それ以来、Snapchatを使い続けるメンバーもいて、会社のためになっている。
「Snapchatデー」は、私がこのプラットフォームに持っていた先入観を覆すこととなった。Snapchatは、物議を醸すような写真を送るためのネットワークだと思われている場合が多く、そのユーザーは共有されるコンテンツが保存されて残ると問題になる可能性についての配慮が無く、無責任だと思われている。だが実際には、Snapchatで投稿されるほとんどのものはカジュアルなコンテンツだ。(食べ物の写真や適当なセルフィーなど)で、Facebook、InstagramやTwitterに投稿するほどではない写真だ。
コンテンツに永久に誰もがアクセスできるのが基本のソーシャルネットワークと比較するとSnapchatへの投稿の方が責任が持てる。
最近追加されたSnapchat Storiesでは、24時間だけユーザーの友人に公開される、一連の写真や動画を投稿することができる。そこで、他のユーザーが動画でストーリーを伝えるのが上手くなる過程を見ることができた。将来、子供の頃Snapchatで動画を撮影したことが映像に興味を持ったきっかけだと話す映画監督が現れても私は驚かない。昨今の映画監督が、子供の時にビデオカメラを与えられた事が彼らのキャリア選択に影響を与えたと話すのとあまり変わらないだろう。
チームの新しいソーシャルネットワークやテクノロジーに対する理解が欠けているのなら、どのように使うかという説明を読むだけでなく、完全に没入して使ってみるべきだ。
Twitterを理解していないメディア企業は「Twitterデー」を導入し、公開しても良い情報を@replyで全員とメッセージをやりとりしたり、DMで直接メッセージを送ってみるということを試すことができる。
アメリカの企業で日本やインドネシア市場をターゲットとしているのなら、「Lineデー(これらの国で大変人気なメッセージアプリ)」を設けるのは良い考えかもしれない。
Apple Watchアプリの製作を検討しているチームは、Apple Watchと連動するiPhoneアプリで一日しっかりと、それでコミュニケーションを取ってみると良いだろう。
テクノロジーを理解するベストな方法は、実際に使ってみることだ。一日で学べることの多さにきっと驚くことだろう。
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